MANHATTANS LIVE
2008年5月31日土曜日(2nd) @Billboard Live 一番好きなヴォーカル・グループのリード・シンガーって誰だろう。 ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルーノーツのテディ・ペンダーグラスか、いや、パースウェイダースのダグラス・スコットか、エンチャントメントのエマニュエル・ジョンソンか、ドラマティックスのウィ・ジーか、はたまたマンハッタンズのジェラルド・アルストンか… 挙げれば枚挙に遑がないが、この全員が少なくとも僕にとっては唯一無二、不世出のシンガー達であることは間違いない。 マンハッタンンズ、ニュージャージーを代表するヴォーカル・グループだが、ホワットノウツやエスコーツなどジョージ・カー率いるグループとは一線を画し、都会的で洗礼された甘さを売りに70~80年代に大ヒットを連発。僕はジェラルド・アルストンの甘さよりも、ジェラルド以前(60年代)のリード、ジョージ・スミスの泥臭さが気に入っていた頃もあったが、80年代に入ってボビー・ウォーマックとがっつり手を組んだ楽曲や続くソロ作品を聴き、ジェラルド・アルストンにとことん魅せられた。 さて、そのマンハッタンズ、約2年ぶりの来日公演… またまた縁と運があり、週末のセカンド公演で、最前列、ド真ん中のテーブルをゲット。 ヴォーカル・グループの醍醐味は歌やコーラスワークと同時に、メンバー揃っての一糸乱れぬ振り付けにある。そのダンスを楽しむには最前列は適当ではないが、ジェラルドやブルーの生声を感じられる距離に立てるかと思うと、自然と最前列確保へ…こうなったら目を見開いて4人全員視界に入れてやろう(笑)。 開演。 いきなりマクファーデン&ホワイトヘッドの"Ain't No Stopin' Us Now"で、入場、スタートしたので、何でカヴァーよ!?って少しビックリしたが、そんな杞憂も続くミディアム"I'll Never Find Another(Find Another Like You)"で吹っ飛んだ。僕の目の前には昔から大~好きな想像通りのマンハッタンズが立っていた。 やはりサム・クック フレーバー溢れるジェラルド・アルストンの艶のある歌声はサイコーだし、ブルー・ラヴェットのド渋ヴォーカル(ベース)もまだまだ健在。オリジナル・メンバーではないが、脇役に徹した残り二人のメンバーも良い仕事をしてるし(なんと一人はラブ・コミッティ⇒現テンプスのロン・タイソンの弟!)。 ただ少し残念だったのが、ジェラルドとブルーのポジショニングがステージの両端だったこと。 最前列ド真ん中に陣取った席からは、どんだけ目を見開いても両端が一緒に見えない… ステージではテンポ良く歌が繋がり、最高に良い雰囲気。 そして胸キュンバラード"There’s No Me Without You"のイントロが流れる中、ちょっとしたサプライズが。徐にブルーが胸ポケットから紙切れを取り出し、何か読み上げる。 「〇〇と〇〇。ステージへおいで。」 会場が少し響いた後、2階席より1組のカップル登場。そしてステージへ。 そう、結婚間近の二人をお祝いしようといった粋な計らいが計画されていたのだ。ステージ上ではこのサプライズに驚いた彼氏が、更に驚いてる彼女に指輪をプレゼント。そして会場に煽られ愛のキス(涙の口づけ!?)… しかしこれってどんな豪華な結婚式よりも、違った意味で良い思い出になるよね~!?お幸せに! そんなサプライズで和ませた後も、素晴らしいレパートリーは続く。マンハッタンズの世界に存分に浸る。 曲間にボビー・ウォーマックの"If You Think You’re Lonely Now"を挟んだりと、偉大なるパートナーへの敬意も忘れない。 そしてそのリスペクトが頂点に達したのが、ジェラルドのソロ。3人がステージをあとにし、一人残り、歌いだしたのが、そう、"A Change Is Gonna Come"。 自他共に認めるサム・クックフォロワーである彼が、パイオニアへのリスペクトを込めて、大熱唱。その堂に入った素晴らしい歌いっぷりは、もう鳥肌モノ。このライブの白眉だ。 そしてそして僕にとっての最高のサプライズはここだ。ソロパートが始まり、自身のソロ最新作であるサム・クック カヴァー集"SINGS SAM COOKE"について語っている時、最前列の僕は万が一のため(笑)に持参したLP(GERALD ALSTON "OPEN INVITATION")を彼に見せる。すると、なんと!ジェラルドはそれを僕の手から受け取り、嬉しそうにステージ上で掲げる。お客さんからは喝采が…ああ、もう何も求めません…その時まさに、僕が一番好きなリードシンガーが決定したのでした。マイティ!マイティ!GERALD ALSTON!! 素晴らしく充実した90分。そしてこんな短く感じる1時間半もなかなかない。しかしこのセット以外はスピナーズ、ボーイズ・トゥ・メンのメドレー(99年のライブ盤"MANHATTANS LIVE! FROM SOUTH AFRICA"には収録。ジャケットも今回のメンバー4人)も披露したらしい。恐らく今回はカップル・サプライズがあった為、カットしたのだろう…罪深きカップルさんよ、ホントに幸せになれよ~(笑) ラストは当然"Kiss And Say Goodbye"。何百回と針を落とした曲。初の生歌。感動もひとしお。アンコールはレイ・チャールズで有名な"Georgia On My Mind"。敢えて贅沢を言わせてもらうなら、しめはオリジナルで飾ってほしかった。まだまだマンハッタンズの名曲は無数にあるのに。 ジョージ・スミス時代の"Can I"なんてリクエストは個人的な思い入れだけだけど、南アフリカでのライブ盤には収録されてた"One Life To Live"とか、"A Million To One"なんかは歌っても絶対盛り上がるはずなのに… まだまだ現役バリバリのマンハッタンズを目の当たりにすろと、ついつい欲が出てしまう。 ライブ後はサイン会。ジェラルドのソロ含め3枚もLPにサインしてもらった。このライブの余韻とともに家に持ち帰り、いつの日かまたこのジェラルドのサインと手垢付きのレコードを引っ張り出したとき、そのサプライズは甦るでしょう
by l-jones
| 2008-06-07 11:46
| live report
|
カテゴリ
全体 Artist-A soul review live report movie book soul bar radio その他 Artist-B Artist-C Artist-D Artist-E Artist-F 以前の記事
2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 06月 2008年 05月 お気に入りブログ
お気に入り
最新のトラックバック
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||