A Ray Of Hope

f0173964_234843.jpg山下達郎('10/SINGLE CD)
「希望という名の光」

1.希望という名の光
2.Happy Gathering Day
3.希望という名の光(オリジナル・カラオケ)
4.Happy Gathering Day(オリジナル・カラオケ)

久々に達郎ドファンクが聴きたくて期待して待っているファンとしては、今回もまたバラードとミディアムか…
そんな印象を持ったのでは。
感動映画の主題歌とケンタッキーフライドチキンのWタイアップで、メーカーでは「希望という名の光」を「ずっと一緒さ」「僕らの夏の夢」に続くバラード三部作完結編と銘打っているくらいだからそれも止む無しか。

ただ一作品としての完成度は言わずもがな、特に「希望と~」はタイアップ映画の出来までも期待させる魅力を秘める、素敵な楽曲に仕上がっている。
映画を見てその主題歌に興味を持つケースは多いが、今回は逆だ。
映画を観たいと思い、ついついネットで予告編などの映像を探してしまった。
タイアップ曲はタイアップあって成立する作品が殆どだ。
だが今作は楽曲が独り立ち出来、曲そのものに価値がある。タイアップは付加価値として位置付けられる。まさに達郎氏の面目躍如。

「希望と~」に出てくる「A Ray Of Hope」のフレーズは、達郎氏のプライベート・アンセムであるTHE RASCALSの「A Ray Of Hope」から拝借したものだろう。
聴き込むほどに幻想的な空間に包まれ、ゴスペル的質感も無意識に感じさせる。

気に入りました。
でも次はファンク待ってます。
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# by l-jones | 2010-04-18 00:38 | soul review

不変

f0173964_2252748.jpgSMOKEY ROBINSON
Intimate('99/CD)


スモーキーの8年ぶりのオリジナルアルバム。"ミラクル"カムバック。
90年代、オージェイズやアイズレーズらベテラン勢が、若手アーティストの力を借りて現シーンに近づいた動きを見せる中、スモーキーがコラボレートしたのは、マイケル・ストークス、マイケル・ラブスミス、そしてべりー・ゴーディー。60、70、80年代と、なにも変わらぬまま戻ってきた。曲に斬新さは皆無。なのにこんなにオリジナリティーを感じることが出来るアーティストには滅多に出会えない。

アルバムの大半を占めるスローでは、変わらぬスモーキーの繊細で温もり溢れるファルセットを存分に堪能できる。数曲あるミディアムだってスモーキーの魅力がたっぷり詰まった素晴らしい出来。
そして緻密で丁寧な仕上がりにはマイケル・ストークスやマイケル・ラブスミスのスモーキーへの想いも感じ取れるだろう。
中でもグループ仕立てで語りも入れた、まさにスミス・コネクションばりの狂おしいスウィートさを味わえる(6)"Just Let Me Love You"はぼくの最高のお気に入りだ。
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# by l-jones | 2010-03-06 11:15 | soul review

黒きスウィートネス

f0173964_13492925.jpgTHE TRUE REFLECTION
「Where I'm coming from」('73/LP)


このアルバムのB面は超強力だ。B(1)"It Really Hurts"B(2)"Helpless Man"と続く2曲のバラード。洗練されたメローな曲調の中に光る、どす黒いスウィートネス、ソウル・ミュージックの醍醐味がそこにはある。そして正統派フィリー・ダンサーのタイトル曲B(3)。やはりこの曲にしてもブルーノーツやトランプスとはひと味もふた味も違う黒さや粘り気がある。強いて言えばオージェイズ似か。
A面は多少弱い印象があるが、B面の密度の濃さはそれを補って余りある。
73年にこの傑作アルバムが生まれたのには要因がある。プロデュースにモジュレーションズのメンバーがあたり、グループのメンバーもテンプスに参加する者、パースウェイダース/ミラージュと渡り歩く実力者がいたりする。そしてこれが彼ら4人の唯一のアルバアム。悪いわけがない。
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# by l-jones | 2010-02-27 14:00 | soul review

誠実

f0173964_21574763.jpgLUTHER INGRAM
「Let's Steal Away」('76/LP)


ルーサー・イングラムの3枚目のアルバム。
ルーサーと言えば色気漂う不倫ソングで有名だが、ルーサーの丁寧で堂々たる歌いっぷりは、素朴・誠実・実直といったストレートな表現が良く似合う。
ミディアムからスローまで駄作なし。どこを切ってもルーサー節。お気に入りの1枚だ。

BEST TRACKはやはりお得意の不倫ソングを、切々と歌いあげるバラードのA(1)タイトル曲か。その他のスロー、A(2)"That's The Way Love Is"やB(4)”Your Love Is Something Special”、トミー・テイト絡みのB(1)”All That Shines”、B(2)”What Goes Around Comes Around”なども曲の良さも相まってついつい引き込まれる。このサザン風味たっぷりの味わい深さはルーサーならではだ。
少しテンポを上げたA(3)"Sweet Inspiration"でもルーサー節は健在。マスル・ショールズでの熱気がレコードからこぼれおちそうだ。
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# by l-jones | 2010-02-27 13:06 | soul review

CDはどこへ行く <PART3>

f0173964_19424990.jpgまた話は逸れるが、
そもそもぼくはCDをほとんど聴かない。

今さらCDが嫌いと言うのではなくて、音楽を聴く媒体として、いまだにアナログレコードが最高だと思っているからだ。
CDはレコードのようにA面もB面もないし、もちろん針を落とす手間もない。ボタンひとつで最後の曲まで聴き通すことも、好きな曲の選曲も楽々。ランダム再生だって思いのままだ。
レコードと比較して便利極まりない。

しかしCDだと1時間近い収録時間のアルバムを、最後まで集中して聴くことが出来ないのです。
せっかくのアルバムなんだから、2、3曲くらいは印象に残したいと思うのだが、殆ど1曲目しか印象に残らない。2曲目以降はなんとなく惰性で流れてしまう…
しかも10曲位収録されているアルバムでは、その曲がその場所(何曲目)にあることにも製作側は意味を持たせているはずなのだが、選曲ボタンやランダム再生といった便利機能付きのCDプレイヤーを駆使する聴き手には、そんなことはほぼ伝わらない。

その点レコードには、不便な反面、アーティストとリスナーを結ぶ仕掛けがたくさん施されている。
まず、周知の通り30センチの円盤であるアナログレコードは、針が外側から中心に向かって溝を刻む。
よってそのスピードは外側が速く、中心に進むにつれて遅くなる。
その結果、外側、つまり1曲目が録音・再生の状態が最も良く、中心部に近づくほど帯域が狭くなり音が劣化するという特性を生む。
その為制作側は、リスナーに一番聴かせたい曲、伝えたい音を、A面かB面1曲目に配置し、逆に音が劣化する両面ラストの曲は帯域が見立たないスロー/バラード系を割り当てるのを常套の手法としていた。
またレコード収録時間は片面17分程度が最良とされ、それ以上時間が長くなるにつれ、音質が劣化すると言われている。

リスナーが期待を胸にA面1曲目に針を落とす。そこに流れて来るのは、アーティストが一番根性をこめて作った曲。録音状態も最上だ。その曲が素晴らしければ素晴らしいほど、A面を聴き通す集中力へと繋がり、同時にB面への期待が高まる20分間ともなる。そしてまた円盤を引っくり返し、感動のB面1曲目に出会うわけだ。
片面20分位の収録時間も、通して聴くには丁度良い。
レコードには1曲目が2度、ラストも2度訪れる。そしてこれらがまたいい曲が多いのよ…

確かにレコードは物理的にも大きく重く、そして収納にも困る。針を落としたり、盤を拭いたりと手間も掛かる。
しかしこうした特性や制限があるおかげで、レコード盤自体への愛着が深まったり、制作側の“気”がリスナーまで届きやすいのではないか…

針を落とすたびに胸が締め付けられる…、むずっとするけど、こんな表現はレコードならではだ。

f0173964_21465032.jpg←2009年6月12日付 日本経済新聞 文化覧「レコードよ 永遠に回れ」
~レコードのカッティング技師として40年、熟練の技で音色奏でる~


時代は変わる

そもそもCDが無くなるのは、配信に取って変わられるかもしれからとのことだったが、もしかするとレコードからCDへ移り変わった時点で、既に音楽の価値は失われていたのかもしれない…
時代は進み、アナログからデジタルへ。ゲーム、ネット、携帯電話など娯楽の多様化をはじめ、急速に進化した情報化社会。伴う貨幣価値の変遷。そして利便性の功罪…
ボブ・ディランもうたってる、「父、母よ、子供のすることがわからないなら、そのまま黙っていてくれ。古いやり方はなくなりつつある、今はのちに過去となる。時代は変わりつつあるんだから」と…
CDが無くなるのも時代の潮流なんでしょう。

でも、
パッケージCDの売上に反して、コンサート、ライブの興行収入は右肩上がりらしい。CDと違い、そこでの味わいは復元不可、一期一会なのです。そこにはお金を払う価値がある。
簡単にダウンロード、ネット検索して通販で手に入れた音楽に思い入れはない。欲しくて探して手にとって、針を落としソファーにむせび泣く…
どんなに時代が変わっても、想いを込めて聴いた音楽は永遠に生き続けるでしょう。

以上、勝手なことばかり述べて支離滅裂な話になりましたが、CDでもレコードでも配信でも何でもいいんです、人を癒したり励ましたりできる音楽が存在すれば。
また今後、21世紀のマイケルやビートルズが誕生することも願って。

LOVE, PEASE & SOUL!!

◎・・・・・うちのレコードは永遠に回ります・・・・・・・◎
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# by l-jones | 2010-02-20 21:35 | book

CDはどこへ行く <PART2>

f0173964_15152367.jpgモータウンレコードの金字塔
MARVIN GAYE 「WHAT'S GOING ON」(1971)


少し脱線するが、昨年2009年でモータウンレコードが50周年を迎えた。
各メディアで取り上げられていて、モータウン・サウンドを耳にする機会が多くあった。
こうしてあらためて聴いてみると、一世を風靡した60年代のモータウン・サウンドには似通った楽曲が多いなと感じる。
それはホーランド・ドジャー・ホーランドやスモーキー・ロビンソンが作り出す、白人マーケットをも意識した甘く口当たりの良い規則的なベースラインと心地よいタンバリンの音色が、モータウン・サウンドのベースとなっていたからだ。
今日でも色褪せることなく、世界的に認知されているものの殆どがそのリズムパターン。
ダイアナ・ロス&ザ・シュープリームスの「恋はあせらず」とか、テンプスの「マイ・ガール」とか、スティービー・ワンダーの「心の愛」、そしてジャクソン5の「帰ってほしいの」などなど、まさにエバー・グリーン、世界中で愛される珠玉の名作だ。
なんつったって数年前の自分の結婚披露宴の入場曲だって「マイ・ガール」だ!(笑)
(多少ひねってカヴァーヴァージョンを使ったが)

そんなモータウン現象と被る音楽が日本にもある。小室サウンドだ。
90年代に社会現象にもなった一大ムーブメントである。
94~97年には20曲が100万枚以上を売り上げた。今の冷えた市況を考えると物凄い数字。小室哲哉氏は疑いも無い時代の寵児だった。

しかし、ヒット・ファクトリーとしての実績は先のモータウンも小室ファミリーも近い現象ではあったが、その2つのブームには決定的な違いがあるとぼくは感じる。
その一つが音楽そのものである。
モータウン・サウンドの殆どは今なお鑑賞に耐えるもので、市況でもいまだに一定の売上を作る定番的な音楽。実際最近でも映画「ドリーム・ガールズ」や「永遠のモータウン」などでモータウン関連は取り上げられ映像化されている。昨年大きなトピックとなったマイケル・ジャクソンの映画「THIS IS IT」でも、もちろんモータウン時代の曲も映像も使われている。
対する小室サウンドはどうだろう。
今わざわざCDを買って(配信でもレンタルでもいいが)小室サウンドを聞きたいと思う人がどれくらいいるのだろう。
それどころか、小室サウンドが1,2曲位しか思い浮かばない…

f0173964_1592074.jpg同じような曲調、テンポ、キー、そして立て続けのヒットは共通したブームの方程式だが、その楽曲に携わったミュージシャン達の起用には対照的なものがある。
モータウンはソングライター、プロデューサー、ミュージシャン、そしてもちろんシンガーも、楽曲に携わる人全員が一流の腕利き音楽家。その全てが不可欠であり、一つの欠如も許さなかった。それがヒットの前提であったから。
同様な背景が小室ブームにはあっただろうか。小室サウンドで一貫しているのはソングライターが小室氏であることと、歌うのはウマヘタ関係なく知名度高いアイドル。旬であれば芸人でも可。とにかく求められていたのはスピード。1年に何曲リリースできるか、当時のレコード会社が必要としたのはただそれだけだった。

またもう一つ時代の変化も大きな隔たりとなる。モータウン全盛期の60年代は技術革新が進み、楽器、録音技術、加えラジオなどの放送技術も目覚ましく発展。ゆえにより完成度の高いサウンド、音楽を求め、そして競い合った。こうしたイノベーションの波にうまく乗ったのがモータウンだろう。

反対に小室サウンドは無数のシングルを発売したが、当時のシングルCDパッケージの主流は8センチCD。そう、2000年頃には12cmCDシングル(マキシシングル)に取って代わられ、市場や茶の間から姿を消すこととなるあの小さなCDだ。小室サウンドも然り、この8センチCDとともに消えていった…

こうした時代の変化と進化、そして小室サウンドそのものが要因となり、ジャパニーズ・ポップス、ひいては日本音楽の文化的価値が下がり、消費音楽としての位置付けが確立していったような気がする。

たしかに来年には不要となる音楽CDに1,000円や3,000円出せないな。だったら友達に借りるか、カラオケで歌いたい1曲のみ150円でダウンロードすっかな…

今日のパッケージCDの業績不振と、音楽といった文化産業の趨勢はリンクしているのだろう。

<この項まだ続く>
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# by l-jones | 2010-01-29 18:57 | book

CDはどこへ行く <PART1>

f0173964_22233795.jpg図書館で偶然見つけたレコード・コレクターズ2008年7月号(ずいぶん古いな)。その特集に目が留まった。
「CDはどこへ行く」
昨今、音楽CDの売上が下落傾向で、このまま進むと欧米のように配信などの音楽のデータ化が主流となり、近い将来パッケージCDはなくなってしまうのでは?といった話題を、レコード会社、アーティスト、CDショップ、そして音楽ライターや評論家達が俺はCD派だ!私は配信で新たなフィールドを開拓してるんだ!と、けんけんがくがくやっているわけだ。
最近も「09年の音楽CD生産額、16%減 11年連続前年割れ!」「ピークの98年から6割減少!」なんて大騒ぎだし。6割減!?それは心配になりますな。

最終的に結論は出ないのだが、こうした人たちは音楽で飯を食っているわけで、少なくとも一般人よりは音楽が身近にある。
そんな業界人さん達は、往往にして音楽好きでかつ精通し、生活の一部となり、当然所有欲もある。
結果、パッケージ擁護派が多数を占めるのだが…

データを所有。
今の若者達はCDのことを「マスター」と呼んでいるらしい。
単なる音源。音だけ買えれば、音だけ友達から借りられれば満足なんだ。

先日知人宅へおじゃまする機会があった。
リビングにはCDが1枚もない。結構音楽好きなのにな、なんて思っていたら、「パヒューム聴くか!」と言い出し、おもむろに鞄からiPodを取り出してそれをテレビの横にあるミニコンポの上に置いた。
するとなんとそのコンポのスピーカーからパヒュームが!!!!
ってそんな驚くことではないのだが、そのiPodの中には以前所有していたCD数百枚分の音源が格納されているらしい。
彼はCDを1枚も持たずとも、多数の音楽を所有出来ているわけだ。
ちなみにCDは全てブックオフ行きとなったらしい…

音楽をデータで持ち歩くなんて時代ではなかった頃から、CDに親しんでいるぼくにとっては、音だけ所有するなんて違和感極まりない。ぼくからすれば、知人はリビングでパリュームを聴くことができるが、彼はパヒュームを持っていないのだ。


f0173964_030220.jpg子供の頃、最初に買ったレコードって覚えてますか?
覚えてる、小学5,6年の頃近所のレコード屋で買ったさだまさし「恋愛症候群」(どんだけませてんだ!?(笑)でも良い曲ね)。
では最初に買ったCDって覚えてますか?
ん~難しい…中学の頃だからキンクスかフーか…はっきりしない。
では最後に、最初に配信でダウンロードした音楽は?
松たか子「みんなひとり」←というか、この1曲しか買ったことが無いから…

レコードやCDを手に取りジャケット眺め、ライナーノーツ読んで、プロデューサーやアレンジャー、ミュージシャンを確認する。
そして歌詞カードを見て、やっぱり英語わからん、ちょっと高いけど対訳付きの国内盤買えば良かった!また失敗した!と後悔しながら聴く… とか、
聴く度思い出すんだ…この曲を彼女にプレゼントするオリジナルテープに入れるんだ!って意気揚揚と買った頃だっかたな…彼女が去っていったのは、とか…
個人的には音楽はこれだけ楽しんでなんぼのものって気がするんだけどなぁ。
はたして音だけを簡単に手に入れてたら、こうした想い出ってできたかな??
そして極論、レコード無しにビートルズやマイケル・ジャクソンは誕生したのか??

<この項続く>
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# by l-jones | 2010-01-24 19:28 | book

R.I.P. Teddy Pendergrass 1950-2010

大好きなテディ・ペンが逝ってしまった。初めて「二人の絆」を聴いた時の衝撃、今でも覚えている。たくさんの感動をありがとう、テディ!
追悼の意を込め、10年位前にHPにアップしていたアルバム紹介を。

f0173964_0333547.jpgHAROLD MELVIN & THE BLUE NOTES
「Harold Melvin & The Blue Notes」('72/LP)


まずはやっぱりこれ。70年代を代表する傑作アルバム。
テディー・ペンダーグラスというコーラス・グループ屈指のリード・ボーカルの素晴らしさが、そのままグループの魅力となる。ギャンブル&ハフが創り出す、黒く、メローな楽曲に、テディ・ペンのバリトン・ボイスが爆発するA(1)「I Miss You」B(2)「Be For Real」を初めとして、アルバム全体にソウル・ミュージックの様式美めいたものを感じられる。
そして誰もが一度は耳にしてるB(1)「If You Don't Know Me By Now」。ブラック・ミュージック、いやポップ・ミュージック界に永遠と語り継がれるであろう不朽の名作である。最初に聴いた時は「なんて良い曲なんだ~」って素直に感動したっけ。この1曲だけのためにでもこのアルバムは買う価値があるね。
ちなみにテディ・ペンは77年にソロに転向、「Close The Door」「Turn Off The Lights」の代表曲を持つ。これらがヒップ・ホップネタに使われ再評価を受けているが、テディ・ペンはいまだ現役で活動しつづけている事を忘れないでほしい。

PRODUCED BY
KENNEY GAMBLE、LEON HUFF



f0173964_23471885.jpgTEDDY PENDERGRASS
「TP」('80/LP)


70年代のハロルド・メルビン&ザ・ブルーノーツ時代から、セックス・シンボルとして絶大な人気を誇っていたテディ。その彼が運命の悪戯としか思えぬ不慮の事故に遭ったのが82年。その後は奇跡の復活を果たすもの、残念ながら半身不随になったテディに元気な頃の生気は感じ取れない。求める方が酷だろう。個人的には未だ大ファンで新作を待っているが…

80年のこのアルバムは、何処を切ってもテディのフェロモン出しまくり、ホットでセクシーなヴォーカルが堪能できる彼の最高傑作の一枚。
A(1)のアシュフォード&シンプソン作のバラード"Is It Still Good To Ya"から過熱。熱い、熱い。いきなり熱気は最高潮だ。そしてウォーマック兄弟のセシル・ウォーマック作の軽やかなミディアムA(3)"I Just Calld To Say"での余裕を持った歌い回し、ジョーンズ・ガールズがバックで花を添えるスローのA(4)"Can't We Try"でも、やや大味ながら溢れ出る情感が印象的だ。

B面ではやはり大ヒットしたピーボ・ブライソンのB(1)"Feel The Fire"とセシル作のB(3)"Love T.K.O."だろう。都会的な洗練を感じさせるクールなメロディに、テディの声は荒削りでありながら人間味溢れる複雑な表情を付け加える。
B(1)はフューチャーされているステファニー・ミルズとの相性が抜群。二人とも歌が上手い。そしてディープだ。同郷の実力派グループのフューチャーズもバック・コーラスに参加と、全くスキがない。
一方B(3)は数々のサンプリングやカヴァー(山下達郎氏もアカペラカヴァーしてたな)が、その完成度の高さを物語る。バック・ヴォーカルはセシルとフューチャーズ。今現在も耳にする事の多いテディの代表曲。
そしてラストはマクファーデン&ホワイトヘッドのディープなフィリー・バラード(B(4)"Let Me Love You")で締め括り。

テディペンのバリトン・ヴォイスは唯一無二のもの。そして男テディの色気、永久不変だ。
テディペンはこれからも僕のアイドルであり続けるでしょう。

PRODUCED BY
ASHFORD & SIMPSON, DEXTER WANSEL, CECIL WOMACK, JOHN R. FAITH, MCFADDEN & WHITEHEAD, JERRY COHEN, TEDDY PENDERGRASS
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# by l-jones | 2010-01-19 00:25 | soul review

メッセージ

山下達郎 LIVE  ”TATSURO YAMASHITA Performance 2008-2009”

f0173964_1644961.jpgメンバー
山下達郎 (ヴォーカル、ギター)
伊藤広規 (ベース)
難波弘之 (ピアノ、ローズ)
柴田俊文 (キーボード)
佐橋佳幸 (ギター)
小笠原拓海 (ドラム)
土岐英史 (サックス)
国分友里恵 (コーラス)
佐々木久美 (コーラス)
三谷泰弘 (コーラス)




f0173964_1910766.jpg2009年4月21日 火曜日 @神奈川県民ホール

たっつぁんライブ3回目。そしてこれが悲しいことに今回のツアー、ラスト鑑賞(千秋楽のサンプラザは落選…無念)。

神奈川県民ホールは達郎氏もお気に入りのホールで、以前は必ずしょっぱなか千秋楽に持ってきていたらしい。
大阪フェスの取り壊しの話の中で、もしこのホール(神奈川県民ホール)も壊すなんて話が持ち上がったらまた一暴れしてやる、とのこと。
そしてなんと「次のツアーのラストはここでやります!」と高らかに宣言!(ホントか!?)
ホントなら少なくともそれまでは神奈川県民でいよう。

今回の6年ぶりのツアーは1から出直しツアーと本人が銘打っていた通り、セットは達郎初心者でも大いに楽しめる、ヒット曲満載の内容だった。
季節外れであろうが、何であろうが、ライブ中は「クリスマス・イブ」なのだ。
しかしそうしたヒット曲の中でも、達郎氏の想いはしっかりと込められている。
大阪フェスに捧げる歌はもちろんのこと、僕らとその子供達の未来に捧げる歌や、時世の流れを汲んだ歌などに込めたメッセージだ。

中でも今回のライブで1曲あげるならこれだ。
「蒼氓」
去年のアコースティック・ライブでもマーヴィン・ゲイの「What's Going On」とメドレーで歌った曲。
この曲は達郎氏が30代半ばに、そのマーヴィンの歌に触発され、自分の想いを込めて作った名もなき民に捧げた傑作。
ライブアルバム『JOY』の中でもその思い入れを語ってたっけ。
そう、「ちっぽけな街に生まれ、人混みの中を生きる数知れぬ人々の魂に」、
「泣かないで、この道は未来へと続いている」と歌った曲だ。
そしてライブでは間奏部分で4曲のメッセージソングを挟む。
インプレッションズ「People Get Ready」
ラスカルズ「A Ray Of Hope」
ボブ・ディラン「Blowin' In The Wind」
岡林信康「友よ」

どれもアーティストの思想を反映した時代を代表する曲だが、
「蒼氓」もカーティス・メイフィールド、マーヴィン・ゲイらの曲に勝るとも劣らないメッセージソングだと思う。
難波さんの繊細で優しく奏でるピアノ、佐橋さんの泣きのギター、そして情緒豊かに我々に訴えかける達郎氏のヴォーカル。それはもう見事なケミストリー。
前を向いて、明日を見て、そして希望を見出せ、とパフォーマー達全員が託す、見事なメッセージだ。
ご多分に漏れず、ぼくも不況の煽りを受け続けている身、その為か今回のライブの中で一番、胸も瞼も熱くなる瞬間だった。
ちなみにこの曲は去年のサンデーソングブックのラストを飾った曲でもある。


f0173964_19142754.jpg今回はホールを包む雰囲気がすこぶる良い。
真剣に耳を傾ける客の気持ちが緊張感のある張りつめた空気を生み、曲が終わればスタンディングオベーション並みの大喝采。
それはきっとアーティスト側にも伝わるのだろう。
45本目ということもあるが、パフォーマンスの完成度も更にあがり、バンドメンバーも曲に合わせ踊ったりと、楽しそうだった。
ライブは生きているんだな、会場全体で作るもんなんだな、つくづく感じた。

ラストではそんな空気からか「今日はお客さんのお陰でほんとに気持ちよく出来ました!なのでオマケ!」といって、
なんと「サーカス・タウン」!!
もう会場、狂喜乱舞。いやいや、ホントに嬉しかった…


*****
達郎氏のファンは熱狂的な人が多くいる。ファンクラブは言うに及ばず、10年以上毎週ラジオを聴き続けている人、
ついでにラジオの文字起こしまでする人、ライブツアーでは何本も足を運ぶ人(今回も50本制覇の人もいた…スゴイ…)、
そして日曜日のラジオで紹介されたオールディーズLP/CDを探しに、翌月曜日にはレコード屋巡りする人、などなど。
面白いのが、みんな途中で気移りしない。20代で達郎好きになった人は40代、50代になっても皆たっつあん好き。
達郎氏の不変的な音楽とそのスタンスの賜物だろう。

しかしネットの掲示板等ではこうした熱狂的なファンに後ろ指をさす人も。
ファンにとっては絶対的な存在である達郎氏だが、それが宗教染みていて、いわゆるキモチワルイと。
今回のツアーでも、達郎サウンドはロックンロールではない、新譜がない時点でもう懐メロだ、と感じる人も。
まあ、なんとなくわかる。長渕剛をなんでそんな好きなの?って思うのと同じ感覚なんだよね。

ではなぜぼくは達郎氏が好きなんだろう。ふと考えてみた。
確かに達郎サウンドには惹かれるものがあるし、彼の音楽に対する信念、思想、執着は畏敬の念さえ抱く。
音楽で生きる、音楽に人生を懸けるその頑固一徹な姿は美しい。
でもそれだけではないんだ。
ぼくが必要以上に興味を抱いてしまう理由は2つある。

一つは達郎氏が類いない酔狂レコードコレクターであること。
レコード屋では1枚1枚を吟味し、その作品の背景や想いを感じつつ購入する。そのマニアっぷりが仕事上でも顔を出す。
他でもないぼく自身もレコード好き。なのでそんなマニアックな達郎氏に愛着を覚えるのだ。
自分の持っているレコードがサンソンでかかると嬉しくて嬉しくて。
あぁ、俺は東北沢の「エボニーサウンズ」で買ったお皿だぞ、ってね。彼を身近に感じられるのだ。

そしてもう一つがたっつぁんの外見。
どうかばおうとも、どう趣味を変えようとも、二枚目には映らない。異論はないだろう。
レコードジャケットに本人の顔がでようものなら、子供が怯えて泣くなんてことも(笑)。
そんなルックスがいいんです。親近感湧くのです(笑)。これで見た目が福山雅治だったら絶対に好きにならない(笑)。ひがみ根性丸出しだけど、正直なところ(それでもあんなキレイで多才な奥さんをゲットするんだからね。いや、逆にたっつぁんはゲットされたのだ!そう思いたい(笑))。

そんなささいなことが、ぼくとの距離を縮め、彼を特別な存在にしている…
*****

「ロックはパッションがあれば懐メロにならない。」
「ホールツアーにこだわる。ディナーショーは死んでもやらない。」
達郎氏が繰り返し言っていたこと。

ロックでもソウルでも懐メロでもなんでもいい、ホールでもライブハウスでもディナーショーでもなんでもいい、
またぼくたちの前で歌ってください。


f0173964_19105217.jpg今回の計50本のライブツアー中、3本参戦することが出来た。
1本目、30本目、45本目。
初日のういういしい厚木、エヘン虫のお陰(笑)で「スパークル」を二回、更なるおまけで「ラスト・ステップ」も聴けたNHK、最高の雰囲気の中、完成度120%のパフォーマンスだった横浜。

偶然にも3日間すべて天気は雨だった。

雨… ~「Rainy Day」「Rainy walk」「アンブレラ」「2000tの雨」「雨は手のひらにいっぱい」「こぬか雨」「雨の女王 (Rain Queen)」「十字路」~

思い出すのは、雨と達郎とSOUL。雨も悪くないな、と思った。

SETLIST

2008年12月5日 金曜日 @厚木市文化会館


 1. Sparkle
 2. Jungle Swing
 3. Blow
 4. Donut Song
 5. 夏への扉
 6. ついておいで
 7. Paper Doll
 8. さよなら夏の日
 9. Forever Mine
10. バラ色の人生
11. Chapel Of Dreams
12. Have Yourself A Merry Little Christmas
13. We Wish You A Merry Christmas
14. クリスマス・イブ
15. 蒼氓 (People Get Ready ~ A Ray of Hope ~ Blowin’In The Wind ~ 友よ)
16. Get Back In Love
17. Bomber
18. Let's Dance Baby
19. 高気圧ガール
20. Ride On Time

(アンコール)
21. ずっと一緒さ
22. アトムの子
23. Downtown
24. Your Eyes

2009年 3月1日 日曜日 @NHKホール

(アンコール)
21. ずっと一緒さ
22. アトムの子
23. Downtown
24. Sparkle*
25. Last Step*
26. Your Eyes

2009年4月21日 火曜日 @神奈川県民ホール

(アンコール)
21. ずっと一緒さ
22. アトムの子
23. Downtown
24. Circus Town*
25. Your Eyes

*)おまけ
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# by l-jones | 2009-06-27 17:26 | live report

ソウルバーをはしご "Sweet Harmony" から "Magic" へ

f0173964_1722971.jpgV.A.
「SOUL GALAXY: In The Magic Motown 」('09/CD)


「SOUL GALAXY」シリーズ、第2弾。今回は今年50周年を迎えたモータウンに絞ってのリリースとなった。もちろん今回も選曲はソウルバー「ミラクル」のオーナー川端満男氏。

前回に比べ若干曲にばらつきがあり、曲単位では疑問符が付くものもある。が、逆にこれがモータウンの代表曲だ、と言われてもおかしくない傑作も多数。
全体を通せばそれはもうさすがモータウン。何かわくわくさせるような瑞々しく弾けるサウンドはモータウンならではだ。
モータウンということもあって有名なアーティスト作品も収録。スモーキーやテンプスをはじめ、コントゥアーズやファンタスティック・フォーなど。中でも4曲も収録されているファンタスティック・フォーのジェームス・エップスの力強い歌声は印象に残った。胸に響く、まさにソウルフル。

こんな極甘茶シングル盤持っていないのに、どっかで聞いたことがあるな...あ、そうだ、サンソンだ!と、思ったのが11のザ・ディファレント・シェイデス・オブ・ブラウン。哀愁漂う旋律に美しいファルセットとコーラス。そこへ途中から俺の番だと言わんばかりに入り込み力むバリトン。特に後半の絡みはたまりませんな。スウィート・ソウルのお手本の様な曲。個人的には本作の白眉。こんな曲をソウルバーをはしごした時に聞きたいものです。

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本CDのライナーノーツは、毎度おなじみ音楽評論家の吉岡正晴さん。
吉岡さんの懇切丁寧な解説はいつも重宝させてもらってます。今回もしかり。
そしてライナー最後の決まり文句
「これで ~~ のアルバムはもうおしまい。いかがでしたか。このアルバムがあなたのCDライブラリーにおいて愛聴盤となることを願って…」
これ昔から大好き。やっぱこれでなきゃ。

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Track List
 1. The Contours / It's So Hard Being Loser
 2. The Contours / It's Growing
 3. Smokey Robinson & The Miracles / I Care About Detroit
 4. The Fantastic Four / I Love You Madly
 5. The Fantastic Four / On The Brighter Side Of A Blue World
 6. The Monitors / Step By Step
 7. Eric & The Vikings / I'm Truly Yours
 8. Bottom & Company / Spread The News
 9. The Naturals / The Good Things
10. The Sisters Love / My Love's Yours (Till The End Of Time)
11. The Different Shades Of Brown / When The Hurt Is Put Back On You
12. Edwin Starr / There You Go
13. Bottom & Company / Gonna Find A True Love
14. G.C.Cameron / Don't Wanna Play Pajama Games
15. Eric & The Vikings / It's Too Much For Man To Take Too Long
16. Art & Honey / The Best Years Of My Life
17. The Fantastic Four / Just Another Lonely Night
18. The Stylists / What Is Love
19. The Courtship / It's The Same Old Love
20. G.C.Cameron / Act Like A Shotgun
21. Bobby Taylor / Blackmail
22. The Fantastic Four / I'm Gonna Carry On
23. Third Creation / Rolling Down A Mountainside
24. The Temptations / Take Me Away
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# by l-jones | 2009-06-18 17:44 | soul review