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黒きスウィートネス

f0173964_13492925.jpgTHE TRUE REFLECTION
「Where I'm coming from」('73/LP)


このアルバムのB面は超強力だ。B(1)"It Really Hurts"B(2)"Helpless Man"と続く2曲のバラード。洗練されたメローな曲調の中に光る、どす黒いスウィートネス、ソウル・ミュージックの醍醐味がそこにはある。そして正統派フィリー・ダンサーのタイトル曲B(3)。やはりこの曲にしてもブルーノーツやトランプスとはひと味もふた味も違う黒さや粘り気がある。強いて言えばオージェイズ似か。
A面は多少弱い印象があるが、B面の密度の濃さはそれを補って余りある。
73年にこの傑作アルバムが生まれたのには要因がある。プロデュースにモジュレーションズのメンバーがあたり、グループのメンバーもテンプスに参加する者、パースウェイダース/ミラージュと渡り歩く実力者がいたりする。そしてこれが彼ら4人の唯一のアルバアム。悪いわけがない。
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by l-jones | 2010-02-27 14:00 | soul review

誠実

f0173964_21574763.jpgLUTHER INGRAM
「Let's Steal Away」('76/LP)


ルーサー・イングラムの3枚目のアルバム。
ルーサーと言えば色気漂う不倫ソングで有名だが、ルーサーの丁寧で堂々たる歌いっぷりは、素朴・誠実・実直といったストレートな表現が良く似合う。
ミディアムからスローまで駄作なし。どこを切ってもルーサー節。お気に入りの1枚だ。

BEST TRACKはやはりお得意の不倫ソングを、切々と歌いあげるバラードのA(1)タイトル曲か。その他のスロー、A(2)"That's The Way Love Is"やB(4)”Your Love Is Something Special”、トミー・テイト絡みのB(1)”All That Shines”、B(2)”What Goes Around Comes Around”なども曲の良さも相まってついつい引き込まれる。このサザン風味たっぷりの味わい深さはルーサーならではだ。
少しテンポを上げたA(3)"Sweet Inspiration"でもルーサー節は健在。マスル・ショールズでの熱気がレコードからこぼれおちそうだ。
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by l-jones | 2010-02-27 13:06 | soul review

CDはどこへ行く <PART3>

f0173964_19424990.jpgまた話は逸れるが、
そもそもぼくはCDをほとんど聴かない。

今さらCDが嫌いと言うのではなくて、音楽を聴く媒体として、いまだにアナログレコードが最高だと思っているからだ。
CDはレコードのようにA面もB面もないし、もちろん針を落とす手間もない。ボタンひとつで最後の曲まで聴き通すことも、好きな曲の選曲も楽々。ランダム再生だって思いのままだ。
レコードと比較して便利極まりない。

しかしCDだと1時間近い収録時間のアルバムを、最後まで集中して聴くことが出来ないのです。
せっかくのアルバムなんだから、2、3曲くらいは印象に残したいと思うのだが、殆ど1曲目しか印象に残らない。2曲目以降はなんとなく惰性で流れてしまう…
しかも10曲位収録されているアルバムでは、その曲がその場所(何曲目)にあることにも製作側は意味を持たせているはずなのだが、選曲ボタンやランダム再生といった便利機能付きのCDプレイヤーを駆使する聴き手には、そんなことはほぼ伝わらない。

その点レコードには、不便な反面、アーティストとリスナーを結ぶ仕掛けがたくさん施されている。
まず、周知の通り30センチの円盤であるアナログレコードは、針が外側から中心に向かって溝を刻む。
よってそのスピードは外側が速く、中心に進むにつれて遅くなる。
その結果、外側、つまり1曲目が録音・再生の状態が最も良く、中心部に近づくほど帯域が狭くなり音が劣化するという特性を生む。
その為制作側は、リスナーに一番聴かせたい曲、伝えたい音を、A面かB面1曲目に配置し、逆に音が劣化する両面ラストの曲は帯域が見立たないスロー/バラード系を割り当てるのを常套の手法としていた。
またレコード収録時間は片面17分程度が最良とされ、それ以上時間が長くなるにつれ、音質が劣化すると言われている。

リスナーが期待を胸にA面1曲目に針を落とす。そこに流れて来るのは、アーティストが一番根性をこめて作った曲。録音状態も最上だ。その曲が素晴らしければ素晴らしいほど、A面を聴き通す集中力へと繋がり、同時にB面への期待が高まる20分間ともなる。そしてまた円盤を引っくり返し、感動のB面1曲目に出会うわけだ。
片面20分位の収録時間も、通して聴くには丁度良い。
レコードには1曲目が2度、ラストも2度訪れる。そしてこれらがまたいい曲が多いのよ…

確かにレコードは物理的にも大きく重く、そして収納にも困る。針を落としたり、盤を拭いたりと手間も掛かる。
しかしこうした特性や制限があるおかげで、レコード盤自体への愛着が深まったり、制作側の“気”がリスナーまで届きやすいのではないか…

針を落とすたびに胸が締め付けられる…、むずっとするけど、こんな表現はレコードならではだ。

f0173964_21465032.jpg←2009年6月12日付 日本経済新聞 文化覧「レコードよ 永遠に回れ」
~レコードのカッティング技師として40年、熟練の技で音色奏でる~


時代は変わる

そもそもCDが無くなるのは、配信に取って変わられるかもしれからとのことだったが、もしかするとレコードからCDへ移り変わった時点で、既に音楽の価値は失われていたのかもしれない…
時代は進み、アナログからデジタルへ。ゲーム、ネット、携帯電話など娯楽の多様化をはじめ、急速に進化した情報化社会。伴う貨幣価値の変遷。そして利便性の功罪…
ボブ・ディランもうたってる、「父、母よ、子供のすることがわからないなら、そのまま黙っていてくれ。古いやり方はなくなりつつある、今はのちに過去となる。時代は変わりつつあるんだから」と…
CDが無くなるのも時代の潮流なんでしょう。

でも、
パッケージCDの売上に反して、コンサート、ライブの興行収入は右肩上がりらしい。CDと違い、そこでの味わいは復元不可、一期一会なのです。そこにはお金を払う価値がある。
簡単にダウンロード、ネット検索して通販で手に入れた音楽に思い入れはない。欲しくて探して手にとって、針を落としソファーにむせび泣く…
どんなに時代が変わっても、想いを込めて聴いた音楽は永遠に生き続けるでしょう。

以上、勝手なことばかり述べて支離滅裂な話になりましたが、CDでもレコードでも配信でも何でもいいんです、人を癒したり励ましたりできる音楽が存在すれば。
また今後、21世紀のマイケルやビートルズが誕生することも願って。

LOVE, PEASE & SOUL!!

◎・・・・・うちのレコードは永遠に回ります・・・・・・・◎
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by l-jones | 2010-02-20 21:35 | book