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エディは息子たちに気が付いた

f0173964_16374837.jpgEDDIE LEVERT of THE O'JAYS LIVE
2009年5月8日金曜日(2nd)
@Billboard Live


エディ、サム・クックを歌う。

心待ちにしていたライブ。ぼくの大好きなフィラデルフィア・サウンドを代表するヴォーカル・グループ、オージェイズ。そのグループのリーダーであるエディ・リヴァートがやってきた!
高校時代、繰り返し聴いた。レコードが擦り切れんばかりの勢いで。そう「Love Train」は僕の青春のテーマ曲だ(笑)。

しかもこれまた知人のお陰で2列目ど真ん中の最高のポジションを確保。もう胸は高鳴る一方だ。
そんな期待とは裏腹に開演前の客席は空席が目立ち、エディのテンションを心配してしまう。
なぜ?エディよりもミュージック・チャージが高額なのに、毎回満席のキース・スウェットやベビー・フェイス。彼らよりエディはアーティスト・パワーが下なのか...理解できない。完全に客観性を失っているが。
それでも予定より5分遅れの開演時には、なんとか形になる程度に席は埋まり、胸をなでおろしたが。

開演
パック・ミュージシャンと一緒に入場。まだスポット・ライトは当たっていないが、間違いなくあれはエディの背中だ。
いきなりきた!!「Back Stabbers」だ。いきなりギアはトップに!しかしエディはこの日のセカンド公演に関わらず、声が出ていない…この曲のあとあたりから調子を取り戻したが、如何せん66歳の御大だ。大目に見なくては。
そしてこれはヒットメドレーとなっていて、そのあと「I Love Music」「Love Train」と続いた。この3曲を冒頭に持ってきてこのあとどうなんのよ~!?って期待と不安が同時に押し寄せた。

70年代、ギャンブル&ハフの創り出す骨太で流麗なフィリー・サウンドと、エディとウォルター・ウィリアムスの濃厚なツインヴォーカルを見事にブレンドさせ、一世を風靡したオージェイズ。80年代後半からは息子であるジェラルド・リヴァートの後押しもあり、新しい音にチャレンジし続ける。結果、オージェイズは30年以上決して懐メロとならず、常に第一線で活躍をしてきた。

そのエディが目の前に。歌って欲しい曲は山ほどだ。
しかしその期待は見事に裏切られた。何故にそんなに人の曲を歌うんだ??
ジェラルド絡みの曲を3曲。これは当然。今は亡き天才息子に捧げる曲だ。
ギャンブル&ハフ絡みで「Wake Up Everybody」もよしとしよう。実際素晴らしいアレンジだったし、エディの重厚なヴォーカルも堪能できた。
問題はそれ以外のカヴァー曲。エディにとっての”オールド・スクール”を歌ったようだが、如何せん曲が多すぎる。ロバート・パーマーからBBキングにサム・クック3曲メドレーと…ラストの「Survival」以外、カヴァーで固めたセット後半は、どうひいき目で考えても構成ミスだ。

f0173964_15222788.jpg涙チョチョ切れ珠玉のディープバラード「Let Me Make Love To You」をなぜ歌わないのですか。
なぜ「Lovin' You」、「Cry Together」、「Brandy」を歌わないのですか。
エディのゴスペル唱法ならではの火傷必至のファンク、「Give The People What They Want」
をなぜ歌わないのですか。
なぜ「For The Love Of Money」、「Sing A Happy Song」を歌わないのですか。
30枚近くオリジナル・アルバムをリリースしてるのですよ。
カヴァーならボブ・ディランの「Emotionally Yours」があるじゃないですか。

サム・クックはソウル・ミュージックのパイオニアだ。エディのファンで嫌いな人はいない。
しかしサム・クックではスタンディングにはならず。ラストの「Survival」では総立ち。
エディ御大、みんなの願い、汲んでください。
また待ってます。

SETLIST
 1. [Medley]Back Stabbers~I Love Music~Love Train
 2. Use Ta Be My Girl
 3. Wake Up Everybody [Harold Melvin & The Bluenotes]
 4. When The World's At Peace
 5. Already Missing You [Gerald Levert & Eddie Levert]
 6. Baby Hold On To Me [Gerald Levert & Eddie Levert]
 7. Casanova [Levert]
 8. Addicted To Love [Robert Palmer]
 9. The Thrill Is Gone [B.B.King]
10. [Medley]Twistin' The Night Away [Sam Cook]~Shake [Sam Cook]~Having A Party [Sam Cook]
11. Survival


f0173964_1523973.jpg息子とのデュエット曲を親父がソロで歌っている。オーソドックスなソウル・バラードの曲の良さも相まってジーンときてしまった。椅子に腰掛けて歌うエディも泣いている。あれは汗ではない。涙だ…
その間、僕は息子たちのレコードを胸に抱きながらエディの歌に聞き入った。
エディが歌いながら気が付いた。リヴァートのファースト・アルバム「I GOT HOT」に。レコードを指差す。そして僕の目を見て微笑んだ...
エディ・リヴァートはジェラルド・リヴァートとショーン・リヴァートの父親だ。
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by l-jones | 2009-05-09 16:12 | live report

山下達郎 生放送で大いに語る

2009年4月28日(火)夜11時~
NHK-FM
「大貫妙子~懐かしい未来~」


最近、シュガー・ベイブづいている。
知人から借りた「達郎SINGSシュガー・ベイブ」や、新譜「TATSURO from NIAGARA」。最近のヘビーローテーションだ。
そして極めつけが大貫さんの新番組NHK-FM「懐かしい未来」。その記念すべき第一回目のゲストが山下達郎氏だった。

ゲストでもあり、生放送でもありで、サンソンとはまた違った達郎氏に期待。
シュガー・ベイブ時代の思い出から、現在のツアーに関する話や環境問題に関わる話まで、期待通りの充実した60分だった。しかしよくしゃべりますね...たっつあんは。自分でも言ってましたが、ひとりでしゃべってます(笑)

「懐かしい未来」、未来に懐かしい。未来に取り戻したいものは何か。これが番組のテーマ。
その中での話。こうした社会的メッセージを達郎氏が発信するのは珍しい。

報道番組のテーマ曲「ミューズ」(発売は未定)を書き下ろしたことに関して。

「自分のコアなファンは40代半ばの男性が多い。その世代の人たちが今の不況のあおりを一番受けている。
アメリカでは景気回復の兆しが見えた等と言っているが、まだ当分は続くだろう。逆に中小零細企業への圧迫はさらに強くなるのでは。
ツアーを回って、その切迫感を痛感した。
その為今回のツアーでは少しでも力付ける歌を歌うしかないなと。よってツアーのセットの根本的なポリシーは明るい歌。人生は前へ行くんだ。頑張っていこうと。ネガティブな曲は1曲もない。

また人間の英知を否定的にとらえる空気が続いている。
安定した物質で、副作用がないとうたわれたフロン。それが結果的にオゾンを破壊する。であればどうするのか、それを考えていくのが人間のジレンマ、宿命だ。そうした発想を作り出せるのが人間という動物。自分は人間の英知をポジティブに考えている。
悪いことが蓄積される分、良いことも蓄積される。そしていつか、問題が少しづづ解決され、世界も良くなると信じる。

個人的に、政治のレベルで発言したり行動したりするのは難しい問題だが、雑ぱくな言い方をすれば、そんな考えをもって「ミューズ」を作った。」(大意)

天文学好きな達郎氏ならではの解釈であって、言葉に力がある。
「ミューズ」はネガティブな報道ばかりの昨今に一石を投じた曲。早く発売してください。

大貫さんも自分の掲げたテーマに対して、ここまで回答してもらえれば満足でしょう。

f0173964_0581356.jpgそうした社会的メッセージを投げかけた後に達郎氏がセレクトしたのは
THE RASCALS
「A Ray Of Hope」

ラスカルズは達郎氏のアイドルであり、中でもこの曲はプライベート・アンセムとのこと。
自身のライブでも「蒼氓」の間奏に織り込んでいる曲(ほかはインプレッションズ、ボブ・ディラン、岡林信康のやはりメッセージ・ソング)。
白人とは思えない黒さの曲だ。


自分の音楽に対しての話では、不変性を持った曲を作りたいと考え、同じサウンドをどれだけ固持できるか、変えないアバンギャルドなものを目指しているといった、あらためて達郎サウンドを確認出来る場面も。
そのスタイルをいま話をしている大貫さんとツイン・ヴォーカルだったシュガー・ベイブでスタートさせたかと思うと、不思議な感じがする。
でもきっとこの二人の出会いも必然だったんだろうな。
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by l-jones | 2009-05-07 01:24 | radio

一芸を極めるは多芸に通ず

f0173964_176315.jpg山下達郎/Sugar Babe
「TATSURO from NIAGARA」('08・3・21/CD)


「ナイアガラレーベル所属時代の歌唱楽曲、および作曲楽曲を集めた待望の企画盤。
シュガー・ベイブ、『ナイアガラ・トライアングルVol.1』の中から抜粋の他、秘蔵音源、未発表音源を加えて3月21日に発売されました。
ジャケットも新装し、30年の年月を経てナイアガラ公認カタログとして初登場。
プロデュース、リマスタリングは大瀧詠一氏によるもの。」(山下達郎オフィシャル・HPより)

「一芸は多芸に通ず」
今回のCD化のプロデューサー、エンジニアでもあり、達郎氏のナイアガラ時代の全作品に関わった大滝詠一氏。
その大滝氏が、ライナーノーツでこの諺は彼のためにあると語っている。
達郎氏とは若かりし頃から熟知の間柄。うん、山下達郎の音楽人生は全てその言葉に集約されるでしょう。

しかしながら、本作の初CD化楽曲は「幸せにさよなら (山下ヴォーカル・バージョン) 」のみ。
そのあたりは、無数の達郎マニアを心から満足させるまでには至っていないか。

Track List
 1. DOWN TOWN
 2. SHOW
 3. パレード
 4. 遅すぎた別れ
 5. 今日はなんだか
 6. ドリーミング・デイ
 7. すてきなメロディー (幻カズー入り)
 8. フライング・キッド
 9. 雨は手のひらにいっぱい
10. 過ぎ去りし日々“60’s Dream”
11. 幸せにさよなら (山下ヴォーカル・バージョン) (BONUS TRACKS)
12. ドリーミング・デイ (シングル・モノ・バージョン) (MONO) (BONUS TRACKS)
13. SUGAR (オリジナル・ミックス) (BONUS TRACKS)
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by l-jones | 2009-05-01 23:59 | soul review