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メッセージ

山下達郎 LIVE  ”TATSURO YAMASHITA Performance 2008-2009”

f0173964_1644961.jpgメンバー
山下達郎 (ヴォーカル、ギター)
伊藤広規 (ベース)
難波弘之 (ピアノ、ローズ)
柴田俊文 (キーボード)
佐橋佳幸 (ギター)
小笠原拓海 (ドラム)
土岐英史 (サックス)
国分友里恵 (コーラス)
佐々木久美 (コーラス)
三谷泰弘 (コーラス)




f0173964_1910766.jpg2009年4月21日 火曜日 @神奈川県民ホール

たっつぁんライブ3回目。そしてこれが悲しいことに今回のツアー、ラスト鑑賞(千秋楽のサンプラザは落選…無念)。

神奈川県民ホールは達郎氏もお気に入りのホールで、以前は必ずしょっぱなか千秋楽に持ってきていたらしい。
大阪フェスの取り壊しの話の中で、もしこのホール(神奈川県民ホール)も壊すなんて話が持ち上がったらまた一暴れしてやる、とのこと。
そしてなんと「次のツアーのラストはここでやります!」と高らかに宣言!(ホントか!?)
ホントなら少なくともそれまでは神奈川県民でいよう。

今回の6年ぶりのツアーは1から出直しツアーと本人が銘打っていた通り、セットは達郎初心者でも大いに楽しめる、ヒット曲満載の内容だった。
季節外れであろうが、何であろうが、ライブ中は「クリスマス・イブ」なのだ。
しかしそうしたヒット曲の中でも、達郎氏の想いはしっかりと込められている。
大阪フェスに捧げる歌はもちろんのこと、僕らとその子供達の未来に捧げる歌や、時世の流れを汲んだ歌などに込めたメッセージだ。

中でも今回のライブで1曲あげるならこれだ。
「蒼氓」
去年のアコースティック・ライブでもマーヴィン・ゲイの「What's Going On」とメドレーで歌った曲。
この曲は達郎氏が30代半ばに、そのマーヴィンの歌に触発され、自分の想いを込めて作った名もなき民に捧げた傑作。
ライブアルバム『JOY』の中でもその思い入れを語ってたっけ。
そう、「ちっぽけな街に生まれ、人混みの中を生きる数知れぬ人々の魂に」、
「泣かないで、この道は未来へと続いている」と歌った曲だ。
そしてライブでは間奏部分で4曲のメッセージソングを挟む。
インプレッションズ「People Get Ready」
ラスカルズ「A Ray Of Hope」
ボブ・ディラン「Blowin' In The Wind」
岡林信康「友よ」

どれもアーティストの思想を反映した時代を代表する曲だが、
「蒼氓」もカーティス・メイフィールド、マーヴィン・ゲイらの曲に勝るとも劣らないメッセージソングだと思う。
難波さんの繊細で優しく奏でるピアノ、佐橋さんの泣きのギター、そして情緒豊かに我々に訴えかける達郎氏のヴォーカル。それはもう見事なケミストリー。
前を向いて、明日を見て、そして希望を見出せ、とパフォーマー達全員が託す、見事なメッセージだ。
ご多分に漏れず、ぼくも不況の煽りを受け続けている身、その為か今回のライブの中で一番、胸も瞼も熱くなる瞬間だった。
ちなみにこの曲は去年のサンデーソングブックのラストを飾った曲でもある。


f0173964_19142754.jpg今回はホールを包む雰囲気がすこぶる良い。
真剣に耳を傾ける客の気持ちが緊張感のある張りつめた空気を生み、曲が終わればスタンディングオベーション並みの大喝采。
それはきっとアーティスト側にも伝わるのだろう。
45本目ということもあるが、パフォーマンスの完成度も更にあがり、バンドメンバーも曲に合わせ踊ったりと、楽しそうだった。
ライブは生きているんだな、会場全体で作るもんなんだな、つくづく感じた。

ラストではそんな空気からか「今日はお客さんのお陰でほんとに気持ちよく出来ました!なのでオマケ!」といって、
なんと「サーカス・タウン」!!
もう会場、狂喜乱舞。いやいや、ホントに嬉しかった…


*****
達郎氏のファンは熱狂的な人が多くいる。ファンクラブは言うに及ばず、10年以上毎週ラジオを聴き続けている人、
ついでにラジオの文字起こしまでする人、ライブツアーでは何本も足を運ぶ人(今回も50本制覇の人もいた…スゴイ…)、
そして日曜日のラジオで紹介されたオールディーズLP/CDを探しに、翌月曜日にはレコード屋巡りする人、などなど。
面白いのが、みんな途中で気移りしない。20代で達郎好きになった人は40代、50代になっても皆たっつあん好き。
達郎氏の不変的な音楽とそのスタンスの賜物だろう。

しかしネットの掲示板等ではこうした熱狂的なファンに後ろ指をさす人も。
ファンにとっては絶対的な存在である達郎氏だが、それが宗教染みていて、いわゆるキモチワルイと。
今回のツアーでも、達郎サウンドはロックンロールではない、新譜がない時点でもう懐メロだ、と感じる人も。
まあ、なんとなくわかる。長渕剛をなんでそんな好きなの?って思うのと同じ感覚なんだよね。

ではなぜぼくは達郎氏が好きなんだろう。ふと考えてみた。
確かに達郎サウンドには惹かれるものがあるし、彼の音楽に対する信念、思想、執着は畏敬の念さえ抱く。
音楽で生きる、音楽に人生を懸けるその頑固一徹な姿は美しい。
でもそれだけではないんだ。
ぼくが必要以上に興味を抱いてしまう理由は2つある。

一つは達郎氏が類いない酔狂レコードコレクターであること。
レコード屋では1枚1枚を吟味し、その作品の背景や想いを感じつつ購入する。そのマニアっぷりが仕事上でも顔を出す。
他でもないぼく自身もレコード好き。なのでそんなマニアックな達郎氏に愛着を覚えるのだ。
自分の持っているレコードがサンソンでかかると嬉しくて嬉しくて。
あぁ、俺は東北沢の「エボニーサウンズ」で買ったお皿だぞ、ってね。彼を身近に感じられるのだ。

そしてもう一つがたっつぁんの外見。
どうかばおうとも、どう趣味を変えようとも、二枚目には映らない。異論はないだろう。
レコードジャケットに本人の顔がでようものなら、子供が怯えて泣くなんてことも(笑)。
そんなルックスがいいんです。親近感湧くのです(笑)。これで見た目が福山雅治だったら絶対に好きにならない(笑)。ひがみ根性丸出しだけど、正直なところ(それでもあんなキレイで多才な奥さんをゲットするんだからね。いや、逆にたっつぁんはゲットされたのだ!そう思いたい(笑))。

そんなささいなことが、ぼくとの距離を縮め、彼を特別な存在にしている…
*****

「ロックはパッションがあれば懐メロにならない。」
「ホールツアーにこだわる。ディナーショーは死んでもやらない。」
達郎氏が繰り返し言っていたこと。

ロックでもソウルでも懐メロでもなんでもいい、ホールでもライブハウスでもディナーショーでもなんでもいい、
またぼくたちの前で歌ってください。


f0173964_19105217.jpg今回の計50本のライブツアー中、3本参戦することが出来た。
1本目、30本目、45本目。
初日のういういしい厚木、エヘン虫のお陰(笑)で「スパークル」を二回、更なるおまけで「ラスト・ステップ」も聴けたNHK、最高の雰囲気の中、完成度120%のパフォーマンスだった横浜。

偶然にも3日間すべて天気は雨だった。

雨… ~「Rainy Day」「Rainy walk」「アンブレラ」「2000tの雨」「雨は手のひらにいっぱい」「こぬか雨」「雨の女王 (Rain Queen)」「十字路」~

思い出すのは、雨と達郎とSOUL。雨も悪くないな、と思った。

SETLIST

2008年12月5日 金曜日 @厚木市文化会館


 1. Sparkle
 2. Jungle Swing
 3. Blow
 4. Donut Song
 5. 夏への扉
 6. ついておいで
 7. Paper Doll
 8. さよなら夏の日
 9. Forever Mine
10. バラ色の人生
11. Chapel Of Dreams
12. Have Yourself A Merry Little Christmas
13. We Wish You A Merry Christmas
14. クリスマス・イブ
15. 蒼氓 (People Get Ready ~ A Ray of Hope ~ Blowin’In The Wind ~ 友よ)
16. Get Back In Love
17. Bomber
18. Let's Dance Baby
19. 高気圧ガール
20. Ride On Time

(アンコール)
21. ずっと一緒さ
22. アトムの子
23. Downtown
24. Your Eyes

2009年 3月1日 日曜日 @NHKホール

(アンコール)
21. ずっと一緒さ
22. アトムの子
23. Downtown
24. Sparkle*
25. Last Step*
26. Your Eyes

2009年4月21日 火曜日 @神奈川県民ホール

(アンコール)
21. ずっと一緒さ
22. アトムの子
23. Downtown
24. Circus Town*
25. Your Eyes

*)おまけ
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by l-jones | 2009-06-27 17:26 | live report

エディは息子たちに気が付いた

f0173964_16374837.jpgEDDIE LEVERT of THE O'JAYS LIVE
2009年5月8日金曜日(2nd)
@Billboard Live


エディ、サム・クックを歌う。

心待ちにしていたライブ。ぼくの大好きなフィラデルフィア・サウンドを代表するヴォーカル・グループ、オージェイズ。そのグループのリーダーであるエディ・リヴァートがやってきた!
高校時代、繰り返し聴いた。レコードが擦り切れんばかりの勢いで。そう「Love Train」は僕の青春のテーマ曲だ(笑)。

しかもこれまた知人のお陰で2列目ど真ん中の最高のポジションを確保。もう胸は高鳴る一方だ。
そんな期待とは裏腹に開演前の客席は空席が目立ち、エディのテンションを心配してしまう。
なぜ?エディよりもミュージック・チャージが高額なのに、毎回満席のキース・スウェットやベビー・フェイス。彼らよりエディはアーティスト・パワーが下なのか...理解できない。完全に客観性を失っているが。
それでも予定より5分遅れの開演時には、なんとか形になる程度に席は埋まり、胸をなでおろしたが。

開演
パック・ミュージシャンと一緒に入場。まだスポット・ライトは当たっていないが、間違いなくあれはエディの背中だ。
いきなりきた!!「Back Stabbers」だ。いきなりギアはトップに!しかしエディはこの日のセカンド公演に関わらず、声が出ていない…この曲のあとあたりから調子を取り戻したが、如何せん66歳の御大だ。大目に見なくては。
そしてこれはヒットメドレーとなっていて、そのあと「I Love Music」「Love Train」と続いた。この3曲を冒頭に持ってきてこのあとどうなんのよ~!?って期待と不安が同時に押し寄せた。

70年代、ギャンブル&ハフの創り出す骨太で流麗なフィリー・サウンドと、エディとウォルター・ウィリアムスの濃厚なツインヴォーカルを見事にブレンドさせ、一世を風靡したオージェイズ。80年代後半からは息子であるジェラルド・リヴァートの後押しもあり、新しい音にチャレンジし続ける。結果、オージェイズは30年以上決して懐メロとならず、常に第一線で活躍をしてきた。

そのエディが目の前に。歌って欲しい曲は山ほどだ。
しかしその期待は見事に裏切られた。何故にそんなに人の曲を歌うんだ??
ジェラルド絡みの曲を3曲。これは当然。今は亡き天才息子に捧げる曲だ。
ギャンブル&ハフ絡みで「Wake Up Everybody」もよしとしよう。実際素晴らしいアレンジだったし、エディの重厚なヴォーカルも堪能できた。
問題はそれ以外のカヴァー曲。エディにとっての”オールド・スクール”を歌ったようだが、如何せん曲が多すぎる。ロバート・パーマーからBBキングにサム・クック3曲メドレーと…ラストの「Survival」以外、カヴァーで固めたセット後半は、どうひいき目で考えても構成ミスだ。

f0173964_15222788.jpg涙チョチョ切れ珠玉のディープバラード「Let Me Make Love To You」をなぜ歌わないのですか。
なぜ「Lovin' You」、「Cry Together」、「Brandy」を歌わないのですか。
エディのゴスペル唱法ならではの火傷必至のファンク、「Give The People What They Want」
をなぜ歌わないのですか。
なぜ「For The Love Of Money」、「Sing A Happy Song」を歌わないのですか。
30枚近くオリジナル・アルバムをリリースしてるのですよ。
カヴァーならボブ・ディランの「Emotionally Yours」があるじゃないですか。

サム・クックはソウル・ミュージックのパイオニアだ。エディのファンで嫌いな人はいない。
しかしサム・クックではスタンディングにはならず。ラストの「Survival」では総立ち。
エディ御大、みんなの願い、汲んでください。
また待ってます。

SETLIST
 1. [Medley]Back Stabbers~I Love Music~Love Train
 2. Use Ta Be My Girl
 3. Wake Up Everybody [Harold Melvin & The Bluenotes]
 4. When The World's At Peace
 5. Already Missing You [Gerald Levert & Eddie Levert]
 6. Baby Hold On To Me [Gerald Levert & Eddie Levert]
 7. Casanova [Levert]
 8. Addicted To Love [Robert Palmer]
 9. The Thrill Is Gone [B.B.King]
10. [Medley]Twistin' The Night Away [Sam Cook]~Shake [Sam Cook]~Having A Party [Sam Cook]
11. Survival


f0173964_1523973.jpg息子とのデュエット曲を親父がソロで歌っている。オーソドックスなソウル・バラードの曲の良さも相まってジーンときてしまった。椅子に腰掛けて歌うエディも泣いている。あれは汗ではない。涙だ…
その間、僕は息子たちのレコードを胸に抱きながらエディの歌に聞き入った。
エディが歌いながら気が付いた。リヴァートのファースト・アルバム「I GOT HOT」に。レコードを指差す。そして僕の目を見て微笑んだ...
エディ・リヴァートはジェラルド・リヴァートとショーン・リヴァートの父親だ。
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by l-jones | 2009-05-09 16:12 | live report

願い

山下達郎 LIVE  ”TATSURO YAMASHITA Performance 2008-2009”

f0173964_23351024.jpgメンバー
山下達郎 (ヴォーカル、ギター)
伊藤広規 (ベース)
難波弘之 (ピアノ、ローズ)
柴田俊文 (キーボード)
佐橋佳幸 (ギター)
小笠原拓海 (ドラム)
土岐英史 (サックス)
国分友里恵 (コーラス)
佐々木久美 (コーラス)
三谷泰弘 (コーラス)

まったくぶれない。

山下達郎は何も変わっていない。継続しただけだ。アナログからデジタルへ、質より量へ、より便利で身近なものが主流となった音楽の世界。それでも山下達郎は不変だ。
英語圏のロックやリズム&ブルースを根底とし、独自のポップミュージックを創造する。デビュー当初はロックンロールを日本語で?と疑問視され、自分の音楽が一般受けされるのかは、全くわからない。そんな時代も長かった。
それでも山下達郎は30年以上、全く軸がぶれていないのだ…

1980年に達郎氏の名を一躍有名にした珠玉の名曲”RIDE ON TIME”。それが2003年にキムタク主演のドラマの主題歌に起用された。当時そのドラマでこの曲を知った友人が、カラオケで熱唱していた。
その彼に「これって20年以上前の曲なんだよね。」と言うと、
「そうなの!?知らなかった!」と、目を丸くし驚いていたっけ。
友人にとって山下達郎といえば”クリスマス・イブ”。若い世代で、達郎氏に興味がなければ”RIDE ON TIME”を知る由もない。
しかし驚くのは、その事実を知っても信じられないほど曲が新鮮であることだった。

f0173964_018298.jpg 2008年12月5日 金曜日 @厚木市文化会館

6年ぶりの全国ツアー。運良く初日の厚木に参戦。
1400人キャパの2階席最前列といったナイスボジションで鑑賞。
やっぱりいいな~。達郎氏の55歳とは思えぬ強靭な歌力と、リズムセクションの一糸乱れぬソリッドな音。素晴らしい。やはり他の追随を許さない、日本最強だ。
hmv.co.jpが独断と偏見で選ぶの"日本のシンガーTOP30”で堂々の1位を獲得するのもうなずける。

たとえ初日でも、歌や演奏は完璧。だが、MCだけはあんちょこを何度も見て確認(歌詞は今でもプロンプター等を使っていないが)。その仕種が実に微笑ましく、初日に来れた喜びをかみしめる瞬間だった。

途中達郎氏から小さなお願いがあり。ツアー終了まではこうしたブログ等でセットリストを公開しないでほしいとのこと。なので具体的な曲に関してのコメントは避けます。そんなこと本当に小さなお願いだ。だってそれでも本人は、公演終了後にロビーにセットリストを貼り出すサービスをやめていないのだから。

達郎氏は6年前がリハビリツアーだったが、今回は一から出直しツアーと銘打っていた。
「ここ数年、自分の音楽を取り巻く環境が激変し、七転八倒した。やっと最近、音楽的にも壁を乗り越え、人的にも恵まれ、軌道に乗ってきた。そんな中舞い込んだのが伝統ある大阪フェスティバルホール取り壊しのニュース。それならば、最後にもう一度大阪フェスで歌いたい。これが今回の6年ぶり、しかも新譜が無いツアーのきっかけです。」(大意)

達郎氏はライブ会場にも強いこだわりを持っていて、自分の納得した音が出せるホールしか選ばない。だから達郎氏にとっては武道館やドームでのライブは言語道断なのだ。逆に良いホールには強い愛着を持っていて、今回の大阪フェスの取り壊しには断固反対を訴えていた。ホールはその舞台を踏んだミュージシャンや芸人達の生き血を吸っている。ホールを取り巻く環境(同グループの隣接するホテル、商業施設やゼネコン絡み)の為に取り壊すのは許せないと。大阪フェス以外でも、中野サンプラザや北海道厚生年金会館なども多々問題を抱えているらしい。
とにかく個人的には達郎氏のライブ会場を減らすのは止めてもらいたい。大きなお願いだ。

3時間。前回のツアーより若干短い気もしたが、それでも3時間ぶっ続けだ。大満足。

何度見ても飽きない。何度聴いても飽きない。達郎氏はライブ映像をパッケージ化しない。ラストのあの曲をアカペラで聞けるのはライブだけなんだ。極上のライブ・パフォーマンス。
フィナーレで、一人ゆっくりと会場全体を見渡し、手を合わせ感謝の意を表す達郎氏を見ていると、必ずまた会いたいと思ってしまうのだ。


f0173964_018475.jpg2009年 3月1日 日曜日 @NHKホール

「あれ?なんか違う。声出てないな…」
1曲目で感じた。6回目の山下達郎ライブでの初の出来事。NHKホール2階末席だからか?いや、違う。
「エヘン虫がでてきた」と達郎氏本人も調子が悪いことを告白した。
しかしさすがはベテラン職人、徐々に調子を取り戻し、いつも通りの透き通るようなテナー~ファルセットを聞かせてくれた。

その後は達郎氏もリズムセクションもコーラス隊も素晴らしいパフォーマンスを披露。MC含め台本通りの流れで進んでいく。何かうまく纏まり過ぎ?と、感じた矢先…
「ちくしょーちくしょー、30本目で初めて間違えた!」と、曲を中断。
お約束の一人アカペラコーナーの最初の曲でのハプニング!歌詞を間違えたらしい。まったく気が付かなかったが、本人は納得いかなかったらしく、中断。お詫びに朝青龍のものまねを披露!(笑)
いやーいいもの見せていただきました。

今回のツアーからメンバーに加わった二人(ドラムの若干24歳!の小笠原氏、セカンド・キーボードの柴田氏)含め、バック・ミュージシャンも相変わらずいかしてる。特に小笠原氏は初日より更に上手くなったんじゃねーか、と思わせるほど冴えていた。やっぱり若いっていいね。達郎氏からお墨付きを頂戴したドラマー。これからも音楽に対し真摯な姿勢で成長してくださいな。余計なお願いです。

間奏部分など、若干の変化はあったが、基本的なセットは初日と変わりなく進行。
そしてアンコール。再度ステージに上がった達郎氏は、逆サイドから退場・入場していた難波氏(キーボード)と三谷氏(コーラス)に何か耳打ちした。
そこで思った。
「これ、最初の曲をもう一回やるぞ」と…

予定通りのアンコールが終了したとき、「おまけ」と一言、3時間前に聞いた達郎氏のギターフレーズが...
やっぱり!エヘン虫に邪魔されて納得できなかった最初の曲をもう一度歌ったのだ!
納得しない曲はやり直すと噂では聞いたことがあったが、まさか目の当たりに出来るなんて…
そう、きっとさっきの耳打ちは、難波氏達にあの曲を最後もう一回やってと、伝えていたのだろう。
その一言で完璧に演じるリズム隊にも脱帽だ。逆にコーラスの佐々木さんなんてもうノリノリだ。
そしてなんと!さらにもう1曲おまけで、予定外の曲を自身のギター1本で。しかも僕の大好きなあの曲…
嗚呼、僕の座席がソファーだったら間違いなくむせび泣いていたでしょう(笑)。

厚木の時が55歳。今回は56歳。3時間半ぶっ通し。どうだ、この人が竹内まりやさんが惚れた男だ。
最後に達郎氏はこう締めくくりました。
「未曽有の不況の今日、お客さんの中でもなにかしらの事情をお持ちの方もいるでしょう。ただピンチは大きなチャンスに変えられます。
音楽で世の中を変えられると思ったことは一度もありません。ただ、音楽で人の心を慰め、癒し、励ますことは出来るのでは、と思っています。そんな気分の時はまたライブにいらしてください。」(大意)

大好きな黒人アーティストのライブをコットンクラブの最前席で見るよりも、山下達郎のライブは慰められるし、励まされる。
毎年僕の心を癒してください。切実なお願いです。
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by l-jones | 2009-03-09 00:58 | live report

Eddie Levert 御大 来日決定

f0173964_22583955.jpgエディがやってくる。
偶然にもオージェイズのアルバムを聴いていたらその情報は飛び込んできたんだ!

ビルボードライブ東京
Eddie Levert of O'JAYS


嗚呼ジェラルドにショーン…
息子達亡きあとも、親父は歌います。

これ涙なしには見れないな。
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by l-jones | 2009-01-07 22:59 | live report

方向性

f0173964_27163.jpgRYAN SHAW LIVE
2008年11月25日(火曜日)
@渋谷duo


今年3月のコットンクラブでのライブが好評だったライアン・ショウのライブを鑑賞。
1stアルバムも、殆どカヴァーながらに、20代と思えぬ60年代あたりのR&B(アール・アンド・ビー)魂を感じさせ、今年の新譜の中ではお気に入りの一枚。そして個人的にも久々のライブなので期待は高まる一方…

が、ちょい期待はずれ。

ライアンはスティービー・ワンダーを超辛口にしたような、強力な喉の持ち主。そのハスキー・テナーを爆発させたスローの" I Am Your Man"や"I Found A Love"あたりは息を呑む素晴らしさ。大好きなチェアメン・オブ・ザ・ボードの"Working' On A Building Of Love"も痺れたね。ダニー・ウッズそっくり!!

しかし残念ながらライブの構成が悪すぎる。
結果2時間近くのパフォーマンスとなったが、その間に何度バック・ミュージシャン(ギター、ドラム、ベースの3人の編成だが…)の紹介、ソロパートがあったことか。バンドの紹介等はライブでは欠かせないが、そこまで弾かせる理由はないんじゃない?ってくらい長く感じた。
バックは引き立て役に徹する。ヴォーカルの背中に映る顔色を伺いながら奏でるのがプロなのでは!?。
ライアンのソウルフルな歌を聴きに来てる訳で、誰もロック調のギターソロに興味は無い。

そのせいか全体的にロック色が強く出ていて、ライアンの歌もソウルなのかロックなのかわからなくなる時も。拍車をかけるように"Let It Be"なんてカヴァーがあったりと、持ち歌の少なさの悲哀と、迷走する方向性を露呈した。
どうせカヴァーするなら"Let It Be"ではなく"Let It Be Me"が良かったな。

120分、どうしても間延びした感は拭えない。ラストに客を総立ちにさせておいてからのギター、ドラム、ベースのソロは無いんでない!?。
90分でいいから、ライアンの声を浴び続け、後ろ髪を引かれる思いで会場を後にした方が、同じセットにしても印象が違う。

この不完全燃焼の主因は完全に構成ミスだ。


Tシャツ、ジーンズにスニーカーで熱唱する歌バカ丸出しのライアンには大変好感が持てる。
今回の最大の見せ場はオーティス・レディングのカヴァー"Try A Little Tenderness "。確かに歌は上手いし、客もノリノリだ。が、やっぱりオーティスのカヴァーなんだ。
この逸材をコピー・シンガーで終わらせるのは勿体無い。直にリリースされる2ndアルバムでその方向性は決定付けられるでしょう。
期待します。
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by l-jones | 2008-11-29 23:41 | live report

まりやは「たっつぁん」と呼んでました

山下達郎 アコースティック・ミニ・ライヴ
山下達郎 サンデー・ソング・ブック800回記念ライブ
2008年5月、東京&大阪

ニューシングル「ずっと一緒さ」(3月12日発売)のリリースを記念して行われた「アコースティック・ミニ・ライブ」、そして「サンデー・ソング・ブック800回記念ライブ」。
全て応募抽選で当選した人への無料招待ライブ。東京、大阪合わせて計6回のセット。
「ずっと一緒さ」を2枚購入し、サンソン枠含め計4本応募しましたが、厳選なる抽選の結果、見事に外れました。この運は年末から始まるツアーにとっておこう。
その為後日サンソンで拝聴したもので少しだけライブレポート。

選曲や演奏や歌が素晴らしいのは、会場で体感した方々から十二分に伺いましたので、ここでは私が印象に残った達郎氏のMCをピックアップしてみました(でも全て大意。悪しからずご了承を)。

■ メンバー■
山下達郎 (ギター、ヴォーカル、パーカッション、鉄琴)
伊藤広規 (ベース)
難波弘之 (ピアノ)

■セットリスト+達郎氏のMC(一部)■
[01] BOMBER/山下達郎 "GO AHEAD" '78
[02] ドーナツ・ソング/山下達郎 "COZY" '98
[03] PAPER DOLL/山下達郎 "GO AHEAD" '78
[04] FOREVER MINE/山下達郎 "SONORITE" '04
[05] LA VIE EN ROSE~バラ色の人生/山下達郎 '08


「芸能生活33年。自分自身のオリジナルも230曲を超えた。アカベラの曲も30数曲レコーディング。そしていま55歳。
この年になると、自分の曲の中でも、よくできた曲、あまり好きではない曲、やりやすい曲、またその逆もあることも事実。
これからのステージでは自分の好きな曲、やりたい曲をやりたい。若い頃は毎年ツアーをやっていて、お客様からまたこの曲か、等とお叱りを受けたこともあった。でもきっとそうしたうるさ型のお客様も今はお年を召してきて、いい曲は何度聞いても良い!とお許しを頂けるのでは。」

[06] CHAPEL OF DREAMS/山下達郎 "ON THE STREET CORNER 2" '86
[07] SMOKE GETS IN YOUR EYES/山下達郎 "SEASON'S GREETINGS" '93


「5年前に同じようにファンクラブ向けにアコースティック・ライブをやった。
そのツアーを始める数週間前にアメリカがイラクへ侵攻した。そのため急遽一曲プログラムに加え、歌った。

あれから5年が経ったが、未だ世界では争乱、戦争が絶えることなく続いている。
私は1960年代から1970年代の政治の季節を生きてきた所謂70年代の世代。しかしその時代の政治的プロパガンダの馬鹿らしさに失望し、以来、ミュージシャンとして努めて政治的な発言・表現は控えてきた。
音楽で世の中を変えられると思ったことは一度もない。歌は世につれ、世は歌につれ。といった言葉があるが、歌は世につれても、世は絶対に歌にはつれない、といった考えをもっている。

しかし私も文化に係る端くれ。文化メディアはそうした世の中の流れに否応なしに左右される。
しからば音楽で何が出来るのか…

争いや心の痛み、悲しみ、苦しみ、それらを慰め、癒し、励ますことは音楽でもできるのでは、と考えて生きてきた。

そうした僕の考えの大本にある音楽の経験が、英語圏のロックやリズム&ブルース。
その中でも19歳の時に出会ったこの1曲はワン・オブ・ザ・ベスト。今でも自分の心、いや魂に強烈なメッセージを投げかけてくれる。

1番は所謂反戦歌。
泣いている母親がこんなに多くて、死んで行く子供たちはもっと多い。お父さん、僕たちはそんなエスカレートは望んでない。愛だけが憎しみを和らげてくる。

それ以上に感動したのが2番。
みんな僕らが悪いと言う。でも僕らの髪が長い、ってただそれだけで、なんで僕らを裁くことができるんだ。
昔から長髪で、高校の教師に怒られた経験のある自分。19歳の少年の魂に響いた。
30数年経っても僕にとっては最高の一曲。

そうしたような曲を僕自身でもつくれるだろうか。
そう思い続け30代半ばに、思想といったら口幅ったいが、僕自身の物の考え方を込めた曲を作った。
それを先ほどの外国の曲と合わせて2曲メドレーで。」

[08] WHAT'S GOING ON/MARVIN GAYE "WHAT'S GOING ON" '71
[09] 蒼氓/山下達郎 "僕の中の少年" '88


「ここ10年、思い通りに物事が進まなかった。
長いことやっていると自分を取り巻く環境、音楽を作る環境が変わる。特に21世紀に入って激変した。

30年以上やっているが、初めはアナログのテープレコーダーで、それがデジタルのテープレコーダーになって、その時も苦労したが、最近はハードディスクレコーダーに音楽を録音する時代となった。
一見やり方は同じだが、機械が変わると全く音の響き方が変わる。
2000年くらいからハードディスクレコーダーが普及したが、こういう楽器とこういう楽器を組み合わせて、こういう録音の仕方をすれば、こういう音になる、といったそれまでの自分の経験則が、ある日突然全く通用しない世界となる。
自分では15年、20年前と同じように一所懸命作っているが、あがったものが全く似て非なるものとなる。これで七転八倒した時代がここ3,4年。
が、最近ようやく調子を取り戻してきた。おかげでヒットも出せるようになってきた。

人の問題も色々あった。
レコード会社とも紆余曲折があった。
一時は移籍も考えたが、ここ数年レコード会社の役員から現場まで人が変わり、今度は逆にすごく大切にしてくれるようになった。そのお陰で、まりやも自分も新作やヒットが出せるようになった。

人間の運命なんてどこでどう変わるかわからない。
今が悪くても先は良くなるかもしれない、しかしまたその先に何かが待ち構えているかもしれない。だからとりあえず先に進むしかない。

どこが勝ち、どこが負け、勝ち組とか負け組とかくだらない言葉があるが、そういうことではなく、人生とは不思議なものだ、と思う。」

[10] さよなら夏の日/山下達郎 "ARTISAN" '91

「現在55歳。還暦までは毎年少しでもツアーをやりたい。ここ数年間、その中長期的計画を組んでいた。
昔のヒット曲を聴きたいお客様もたくさんいる。が、だからといって昔の曲ばかりだとそれは懐メロ歌手になる。
昔は良かったな、となるには僕はまだ早い。僕はまだ尖がってる。まだ前に進みたい。

なのでまた新曲を出す時にはよろしくお願いします。」

[11] RIDE ON TIME/山下達郎 "RIDE ON TIME" '80

[Enc.01] ずっと一緒さ/山下達郎 '08


T「今日はひとつおまけです。」
M「アラウンド50のまりやです。"ずっと一緒さ" をお買い上げのやさしい皆様にお願い申しあげます。5/21発売の "幸せのものさし" よろしくお願い致します。
たっつぁんが言ってくれなかったから。」
T「すいません。」
T「毎度ワンパターンですみませんが、これがデュエットのベスト・オブ・ザ・ベスト。いつもこれです。」

[Enc.02] LET IT BE ME/山下達郎 & 竹内まりや
[Enc.03] クリスマス・イブ/山下達郎 "MELODIES" '83


「皆さん夜遅くまでありがとう。次はツアーでお逢いしましょう。気をつけて。おやすみ。」

*****
これがミニライブ?全く衰えを知らず。巨人だ。
そんな達郎氏のコメントにも毎回注目。うん、うん、と頷きながら聞いていた。
音楽メディアに対する首尾一貫した姿勢、頑固なまでのこだわりは、彼の音楽をエバーグリーンとし、我々の心、魂に確実に伝わってくる。
人の運命なんてわからないと言っていたが、彼の功績は偶然ではない。これからの活躍も含め、それは彼の努力の賜物。必然だ。

"山下達郎の音楽" に癒され、励まされ、時に叱咤されている。それは "山下達郎の音楽" だから出来ること、まさに音楽の力だ。
しかし "達郎の音楽" ではなく、"山下達郎" が出来ることって何か他にもあるのでは…
少なくとも彼はそう思わせる力を持っている。

最後に2曲のメッセージソングを。

f0173964_1703523.jpgWHAT'S GOING ON
Words & Music by MARVIN GAYE, ALFRED CLEVELAND, RENALDO BENSON
Produced by MARVIN GAYE

Performed by MARVIN GAYE (1971)



Mother, mother
There's too many of you crying
Brother, brother, brother
There's far too many of you dying
You know we've got to find a way
To bring some lovin' here today - Ya

Father, father
We don't need to escalate
You see, war is not the answer
For only love can conquer hate
You know we've got to find a way
To bring some lovin' here today

Picket lines and picket signs
Don't punish me with brutality
Talk to me, so you can see
Oh, what's going on
What's going on
Ya, what's going on
Ah, what's going on
Right on, baby
Right on
Right on

Mother, mother
everybody thinks we're wrong
Oh, but who are they to judge us
Simply because our hair is long
Oh, you know we've got to find a way
To bring some understanding here today

Picket lines and picket signs
Don't punish me with brutality
Talk to me
So you can see
What's going on
Ya, what's going on
Tell me what's going on
I'll tell you what's going on - Uh
Right on baby
Right on baby

f0173964_1712810.jpg蒼氓
Words & Music by TATSURO YAMASHITA
Produced by TATSURO YAMASHITA

Performed by TATSURO YAMASHITA (1988)



遠く翳る空から
たそがれが舞い降りる
ちっぽけな街に生まれ
人混みの中を生きる
数知れぬ人々の
魂に届く様に

凍りついた夜には
ささやかな愛の歌を
吹きすさんだ風に怯え
くじけそうな心へと
泣かないで この道は
未来へと続いている

限りない命のすきまを
やさしは流れて行くもの
生き続ける事の意味
誰よりも待ち望んでいたい

やさしさは琥珀となり
ひそやかに輝き出す

憧れや名誉はいらない
華やかな夢も欲しくない
生き続ける事の意味
それだけを待ち望んでいたい
To find out the truth of life!

たそがれが降りて来る
歌声が聴こえて来る・・・・・・

La La La La・・・・・・・・・
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by l-jones | 2008-09-20 16:20 | live report

ハロルド・メルヴィンのいないハロルド・メルヴィンズ・ブルーノーツ

HAROLD MELVIN'S BLUE NOTES、RAY,GOODMAN & BROWN LIVE
2008年7月9日火曜日(2nd)
@Billboard Live


まさかの組み合わせだ。フィラデルフィアとニュージャージーを代表する二組がそろって日本のステージに上がるなんて…
僕が高校1年の時、ハロルド・メルヴィン~の''二人の絆''を始めて聴き、
「嗚呼、なんてソウルミュージックってロマンティックなんだ」と思い、
高校生2年の時モーメンツの''ルック・アット・ミー''を聴き、
「嗚呼、なんてソウルミュージックってスウィートなんだ」
って、大興奮したっけ。まさにこの2組は僕がスウィート・ソウル好きになるきっかけとなった、想い出のヴォーカル・グループだ。そんなグループの競演を目の当たりに出来るなんて、これはもうソファーでむせび泣くしかない。

ただしハロルド・メルヴィン~にはリーダーのハロルド・メルヴィンもいなければ、看板リードのテディ・ペンダーグラスもいない。また同じくレイ、グッドマン&ブラウンのハリー・レイもいない。
リード・ヴォーカルが変わることは、別のグループに変身すること、と言った意見にもうなずけるが、まあそんな固いことは抜きにして、思い出いっぱいの往年の名曲達を生で体感しましょう。

まずはハロルド・メルヴィン~。確かにテディ・ペンは不在だが、リードはテディ・ペン風のバリトン・ボイスを自在に操るいかした人。過去の経歴は知らないが、もう何年も歌ってきたかの様な余裕の歌いまわし。
途中ゲストでシャロン・ページが登場。ベスト盤にも収録されれてる自身参加の2曲(''Hope That We Can Be Together Soon''、'' You Know How To Make Me Feels So Good'' )を披露した。ちょっと太り過ぎだけど、いい声だ。
また他のメンバーの激しい踊りにも心躍った。しっかり伝統は受け継がれているわけね。

続いてレイ・グッドマン&ブラウン。ハリー・レイ役の大役を果たすのがケヴィン・オウエンス。メタボ風のオリジナル・メンバー、アル・グッドマンとビリー・ブラウンに対して、スマートでベビーフェイス、そして甘くとろける様なファルセット・ボイスが持ち味のケヴィン。その対比が実に面白い。
特別引き立つファルセットではないが、なんせ曲が良い。これぞスウィート・ソウルといった名曲を次々と歌い繋ぐ。男でもうっとり、とろ~りくる瞬間が何度も訪れる。
いや~ソウルってほんとにいいもんですね。感動した!

アンコールは全員集合で、''Ain’t No Stoppin Us Now''を大合唱。そういえばマンハッタンズの入場の曲もこの曲だったな…なんでだろう。まあ、日本でも人気があるからいいのだが。

f0173964_14173013.jpg←当日持参したケヴィンのソロ・アルバム。サイン会も無かった為、使うことはなかった。ルーサー・ヴァンドロスが参加したテンプスのカバー''You're My Everything ''の出来は秀逸。
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by l-jones | 2008-08-29 18:09 | live report

蘇るサプライズ

f0173964_11454449.jpgMANHATTANS LIVE
2008年5月31日土曜日(2nd)
@Billboard Live


一番好きなヴォーカル・グループのリード・シンガーって誰だろう。
ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルーノーツのテディ・ペンダーグラスか、いや、パースウェイダースのダグラス・スコットか、エンチャントメントのエマニュエル・ジョンソンか、ドラマティックスのウィ・ジーか、はたまたマンハッタンズのジェラルド・アルストンか…
挙げれば枚挙に遑がないが、この全員が少なくとも僕にとっては唯一無二、不世出のシンガー達であることは間違いない。

マンハッタンンズ、ニュージャージーを代表するヴォーカル・グループだが、ホワットノウツやエスコーツなどジョージ・カー率いるグループとは一線を画し、都会的で洗礼された甘さを売りに70~80年代に大ヒットを連発。僕はジェラルド・アルストンの甘さよりも、ジェラルド以前(60年代)のリード、ジョージ・スミスの泥臭さが気に入っていた頃もあったが、80年代に入ってボビー・ウォーマックとがっつり手を組んだ楽曲や続くソロ作品を聴き、ジェラルド・アルストンにとことん魅せられた。

さて、そのマンハッタンズ、約2年ぶりの来日公演…
またまた縁と運があり、週末のセカンド公演で、最前列、ド真ん中のテーブルをゲット。
ヴォーカル・グループの醍醐味は歌やコーラスワークと同時に、メンバー揃っての一糸乱れぬ振り付けにある。そのダンスを楽しむには最前列は適当ではないが、ジェラルドやブルーの生声を感じられる距離に立てるかと思うと、自然と最前列確保へ…こうなったら目を見開いて4人全員視界に入れてやろう(笑)。

開演。
いきなりマクファーデン&ホワイトヘッドの"Ain't No Stopin' Us Now"で、入場、スタートしたので、何でカヴァーよ!?って少しビックリしたが、そんな杞憂も続くミディアム"I'll Never Find Another(Find Another Like You)"で吹っ飛んだ。僕の目の前には昔から大~好きな想像通りのマンハッタンズが立っていた。
やはりサム・クック フレーバー溢れるジェラルド・アルストンの艶のある歌声はサイコーだし、ブルー・ラヴェットのド渋ヴォーカル(ベース)もまだまだ健在。オリジナル・メンバーではないが、脇役に徹した残り二人のメンバーも良い仕事をしてるし(なんと一人はラブ・コミッティ⇒現テンプスのロン・タイソンの弟!)。
ただ少し残念だったのが、ジェラルドとブルーのポジショニングがステージの両端だったこと。
最前列ド真ん中に陣取った席からは、どんだけ目を見開いても両端が一緒に見えない…

ステージではテンポ良く歌が繋がり、最高に良い雰囲気。
そして胸キュンバラード"There’s No Me Without You"のイントロが流れる中、ちょっとしたサプライズが。徐にブルーが胸ポケットから紙切れを取り出し、何か読み上げる。
「〇〇と〇〇。ステージへおいで。」
会場が少し響いた後、2階席より1組のカップル登場。そしてステージへ。
そう、結婚間近の二人をお祝いしようといった粋な計らいが計画されていたのだ。ステージ上ではこのサプライズに驚いた彼氏が、更に驚いてる彼女に指輪をプレゼント。そして会場に煽られ愛のキス(涙の口づけ!?)…
しかしこれってどんな豪華な結婚式よりも、違った意味で良い思い出になるよね~!?お幸せに!

f0173964_11444466.jpgそんなサプライズで和ませた後も、素晴らしいレパートリーは続く。マンハッタンズの世界に存分に浸る。
曲間にボビー・ウォーマックの"If You Think You’re Lonely Now"を挟んだりと、偉大なるパートナーへの敬意も忘れない。

そしてそのリスペクトが頂点に達したのが、ジェラルドのソロ。3人がステージをあとにし、一人残り、歌いだしたのが、そう、"A Change Is Gonna Come"。 自他共に認めるサム・クックフォロワーである彼が、パイオニアへのリスペクトを込めて、大熱唱。その堂に入った素晴らしい歌いっぷりは、もう鳥肌モノ。このライブの白眉だ。

そしてそして僕にとっての最高のサプライズはここだ。ソロパートが始まり、自身のソロ最新作であるサム・クック カヴァー集"SINGS SAM COOKE"について語っている時、最前列の僕は万が一のため(笑)に持参したLP(GERALD ALSTON "OPEN INVITATION")を彼に見せる。すると、なんと!ジェラルドはそれを僕の手から受け取り、嬉しそうにステージ上で掲げる。お客さんからは喝采が…ああ、もう何も求めません…その時まさに、僕が一番好きなリードシンガーが決定したのでした。マイティ!マイティ!GERALD ALSTON!!

f0173964_11213659.jpg素晴らしく充実した90分。そしてこんな短く感じる1時間半もなかなかない。しかしこのセット以外はスピナーズ、ボーイズ・トゥ・メンのメドレー(99年のライブ盤"MANHATTANS LIVE! FROM SOUTH AFRICA"には収録。ジャケットも今回のメンバー4人)も披露したらしい。恐らく今回はカップル・サプライズがあった為、カットしたのだろう…罪深きカップルさんよ、ホントに幸せになれよ~(笑)
f0173964_11451458.jpgラストは当然"Kiss And Say Goodbye"。何百回と針を落とした曲。初の生歌。感動もひとしお。アンコールはレイ・チャールズで有名な"Georgia On My Mind"。敢えて贅沢を言わせてもらうなら、しめはオリジナルで飾ってほしかった。まだまだマンハッタンズの名曲は無数にあるのに。
ジョージ・スミス時代の"Can I"なんてリクエストは個人的な思い入れだけだけど、南アフリカでのライブ盤には収録されてた"One Life To Live"とか、"A Million To One"なんかは歌っても絶対盛り上がるはずなのに…
まだまだ現役バリバリのマンハッタンズを目の当たりにすろと、ついつい欲が出てしまう。

ライブ後はサイン会。ジェラルドのソロ含め3枚もLPにサインしてもらった。このライブの余韻とともに家に持ち帰り、いつの日かまたこのジェラルドのサインと手垢付きのレコードを引っ張り出したとき、そのサプライズは甦るでしょう
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by l-jones | 2008-06-07 11:46 | live report

SWEAT&SPIT

f0173964_19294894.jpgTOWER OF POWER LIVE
2008年5月23日金曜日(2nd)
@Bluenote Tokyo


ほとばしる汗と唾。最前列でその熱気を心行くまで浴び続けた70分は、何事にも変えがたい幸せだった。
毎年、タワー来日時は全てを投げやり、全公演を制覇される恐るべし知人(笑)の甲斐あって、週末のセカンドを最前列で鑑賞した。
これぞLIVEだ!っといったその躍動感に驚かされ、感動すら覚えた。切れ味鋭いソリッドなリズム隊と、揃っての振り付けまでもがファンキーで最強のホーン隊、そして正に熱唱!のあつーいヴォーカルは、アーシーで素朴な楽曲を余すところなく肉付けし、どこまでも黒く、そしてソウルフルなファンクを奏でる。それをライブで体感する、こんな贅沢はない。

それと特筆すべきは、客との一体感。みんなタワーが好きなんだな~。1曲目、いやメンバーが会場奥から入場するや否や、もう総立ち。スタートから熱気は最高潮。でもどんなに熱くなっても途中ホーン隊のソロが入るとスッと最前列の客達は揃って腰を下す。後方客へのエチケットと共に、タワーメンバーと一体となりソロパートを際立たせる。そう老若男女問わず、みんなタワーが好きなんです。病みつきなんでしょう(笑)。ノンストップで全力で駆け抜けるタワーに、客も全身全霊で応える。音楽って良いなって素直に思える瞬間だ。

最高にかっこイイファンク、最高に気持ちイイグルーブ。
ファンキー・ドクターのバリトンサックスから吹き出るSPITは彼のSPIRIT。思う存分浴びておこう(笑)。
最高にご機嫌でソウルフルな時間だった。

f0173964_1142069.jpgセットリスト

ステージ床に張ってあった紙。
なんでも毎回ステージ毎にセットは変えているらしい。当然ファーストも見ている知人の話では、この日のファーストは玄人好みの選曲だったとのこと。

ちなみに25日の東京最終日、特別追加公演(日本最終は27日の名古屋公演)では2時間半越えのスーパーライブを披露したらしい。そこにはTOPの歴史が全てあったとか…

しかしこれだけの長期間、これだけの密度の濃いライブを披露するエンターテイナー達、彼らも日本が好きなのね。

f0173964_19301170.jpgライブ後はメンバー全員横並びでのサイン会。壮観だったな~。
最後の最後まで喜ばせてもらいました。
(そこでロッコが、視力が弱くなって文字が見えないと言っていたのが、タワーの40年の分厚い歴史を物語っているようでもあった。)
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by l-jones | 2008-05-24 19:26 | live report